ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 318
キラキラ瞳輝かす3人組。
「あのねえ、君たちが思ってるほどうちは特別なところじゃないんだよ…」
ため息が出そうだ。
まあ、君らが住み込みでいるところは普通の家じゃないからねぇ
ちなみにこの3人は香澄ちゃん・桜ちゃんと同年代。
メイド軍団の中では少し年上の雪ちゃんがお姉さん的存在だ。
(その下にはついこの間まで純ちゃんがいたのだが)
「きゃっ、匠さんが生まれ育ったってだけで、私たちにとっては特別ですよぉ〜」
「そうそう、いろんなことを覚えた、匠さんのお家ですもん〜」
「そうですよ〜、興味深々ですぅ〜」
この娘たちは、何を言ってんだか…;
「まあ、とりあえず上がってよ…」
立話しもなんなんで家の中に招き入れる…
どうやらお袋は夕食の買い物に出掛けたようだ。
「お家の方はいらっしゃらないのですか?」
「仕事や学校があるし。お袋も買い物に行ったみたい」
「そうですかあ」
「僕も来月からは忙しくなるからね」
「お仕事決まったのですね!おめでとうございます!」
「ああ一応雇ってもらえることになったよ…」
「エンジニアのお仕事なんですか?…」
「あ、いや…そうもいかなくてさ、なんと男性用下着の営業なんだ;…」
頭を掻きながら、顔が赤らんでいるのが分かった…
なんだかやっぱり“男のパンツを売る"ってことに照れてしまう…
部署の皆には悪いけど、男としてはどこか劣等感を抱いているんだよね;…
「へぇえ〜、下着ですか〜」
「なんだか素敵な響きですねぇ〜」
「まったく違うところなんですね。頑張ってくださいね!」
「ああ、うん、頑張るよ」
なんにせよ、こう言われるのは嬉しいな。
…萌ちゃんの『素敵』ってどういう意味なんですかねぇ。