ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 302
「うふふふふ、お二人とも…」
涼香さんは相変わらず笑顔だ。
…その表情が、今はすごく怖いんですが。
股間を刺激する足の動きが止まった。
解放されたのはいいのだが、今度は涼香さんがしかめ面。
「…どうしました?」
「…足が攣りました…調子に乗り過ぎました…」
くくくく…
やっぱりこういう涼香さんは憎めない…
熟女でありながら、ちゃんと可愛い面も持ち合わせているんだもんな。
「おいおいもう終わりかよ?…鼻の先にニンジン振ら下げておいて、そりゃーないぜぇ〜え。なあ、匠くん…」
伊藤さん…僕に振らないでくださいよ;…そりゃあ僕だって…半勃ちですけどね;…
「うふふ、では宏さんは後ほどごゆっくり」
「…お、おう…」
…ほら見なさい。
涼香さんが回復?したらどうなることやら。
「それでもよかったです…匠さんも宏さんもこうして、ここに来て下さって…」
涼香さんはそう言って、ティーカップに口をつける。
「どういうことです?…」
僕も甘い香り漂う紅茶を口に含む…
「匠さんと初めて会った時から、宏さんとどこか似ていると思ったは…だから絶対にこの二人は気が合うと思っていたの…」
「はあ…」
確かに気が合うとは思いますが、似ているなんておがましいですよ…
「この前も君はそんなことを言ってたけど、そんなに匠くんと僕って似てるかな?」
「ええ、似てますわ、すっごく」
断言する涼香さん。
…これが『女の勘』という奴なのか?
まあ、伊藤さんの息子である啓くんを見てても、そう感じるところは、ないわけでもないですが…