ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 29
「おじゃましまぁ〜す。突然に来てしまってゴメンなさいね。」
…おっ香澄ちゃん、ちゃんと挨拶できるんだぁ
「いいえぇ、兄がいつもお世話になっております。」
…おお!梓もすっかり大人になってぇ〜
「もぉ〜堅苦しい挨拶なんていいのよ!香澄さんお腹すいてるはよね?」
…お袋、、、
「お昼時にスミマセェ〜ン。もうペコペコでぇ。」
…今さっきまで、リスだったでしょ、あなた…
「でしょ?ちょうどお昼だし、今作るから待っててね〜」
そう言ってお袋はキッチンに向かう。
…僕の分は作らなくても…まあいいか。
「にしても、匠兄ぃが彼女か〜」
いつの間にか戻ってきた栞が茶化してくる。
まったくこいつは。
…ばっちりメイクに今どきに茶髪…君はギャル系を目指してるんかい?
「わぁ〜素敵な眉毛〜♪それにグロスの色もステキィ!」
香澄ちゃん…貴女って人を持ち上げるのが上手いのね…
「やだぁ〜香澄ちゃんだっけ?あなたの服だって滅茶可愛いぃい〜」
おいおい、栞…いい歳して、その喋り方はやめなさい…
…しかし、今さっき会ったばかりで香澄ちゃん、ものすごい溶け込みようだ。
まあ、お袋や妹たちと気が合うなら僕はうれしいけど。
「えと、香澄ちゃんって年いくつなの?」
栞が尋ねる。
「17です」
「えっ!?梓よりも下なの?匠兄ぃ、そりゃちょっとやばいんじゃない…?」
「いや、何がやばいというんだ…?」
…親父、、、突然会話に割り込むなって…
「父さんが母さんと結ばれたのも、17歳の時だったんだぞ…」
…その話し…耳にタコですから…てか、そん時あんたは22歳だったんでしょうが?
「素敵でぇすぅ!それからずっと愛を貫いていらっしゃるなんてぇ〜憧れまぁすぅ〜!」
「照れるなぁー…香澄ちゃんだっけ?君、いい子だぁねぇー」
…香澄ちゃん、親父まで虜にしちゅなんて、君って一体何もの?