ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 217
「あ私、新しいボクサーパンツもってるよぉ」
葵…いつからそこにいたの?
「ダメですよぉ〜葵さん。いくらお兄さんのお尻が小さくたって、女性モンは入りませんってぇぇ」
「あら、女もんじゃ無いのよ。ちゃんとした男性用のMサイズぅ」
「なんでお前がそんなモン持っているんだ?」
「やだぁ父さぁ〜ん!私だっていろいろある訳よぉ〜」
鈍感な親父とは対照的に、お袋は
「葵もそんな歳になったのね〜」
「お母さんほど早くはないけどね♪」
…ま、葵も24だしなぁ。
「で、お前、そのパンツいいのかよ」
「うん、まあまた買ってくればいいことだしぃ」
「…買ってって」
「一応私も国家公務員だもんね!減るもんじゃないしっ!」
…そういう問題じゃないような気がするんですが。
「あれぇ〜お兄ちゃん、パンツ一丁で何してんのよぉ?」
栞…おっしゃる通りです…;
「今ねぇ、匠のパンツがあまりにも見窄らしいからって、ね…」
お袋…そんなのコレ、酷いですか?
「ホントだぁ〜お父さんだってそんなの穿いてないぃよ〜」
梓…君まで起きてきちゃったんですね…;
家族全員集合である。
恥ずかしいのでどこかに逃げたいです。でもできませんそんなこと。
「…で、パンツどうすればいいのさ」
「葵の彼氏の…あっ、まあ、借りなさいよ」
「葵、いいの?」
「別に。また今度買えばいいことだし」
「じゃあ、頼むよ」
「葵に彼氏…?」
違うところでショックを受ける親父であった。
葵の持ってきたそれを受け取り、流石にここで穿き変える訳にもいかないので、洗面所に入る…
手の中の布地を左右に広げる…
想像していた以上の小ささ…
最近の若い奴って、皆こんなん穿いてんのかよ?…
「ローライズって言うですよ。股上が浅いパンツのこと…」
へぇ流石啓くん、こういうことには詳しいんだな…
…ん?
「なんでお前がついて来てんだぁ!?」