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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 146

微笑みながらグラスを傾ける弥生さんは、喉を鳴らし一気に空にした…
アルコールがいける口なんてちっとも知らなかった…
もしあの頃、僕がもっと大人だったら、ベッドで汗をかいた後に…一本の缶ビールを分け合って飲むこともあったかもしれないよな…
…とはいえ、あの頃弥生さんと関係していた僕は未成年でしたが…

「…匠くん、どしたの?」
ワインをグラスに注ぎながら弥生さんが言う。
「あっ、いえ…」
「…ここは、匠さんのご家庭とは明らかに違うので、戸惑いますよね?私どもでよければ、ご相談に乗りますが…」
杏さんが言う。

「はい.確かに戸惑っていますが、相談したところでどうなるもんでもないし…」
「私たちじゃ役にたたない?…」
「いえそんな…杏さんに庭で声を掛けて貰えて、ホント嬉しかったんです…」
「お嬢様の部屋に行ってらしたのよね?…喧嘩でもなさったのかしら?…」
「いえ、そんなんじゃ無いんです……ただ今日は…ちょっといろいろ聞いてしまって…」

「まさか…それって…」
話しに割って入ってきたのは、真剣な顔をした弥生さんだった…
「聞いてしまったっていうのは……和彦さんと操の…あのこと…?」


「ま、まあ、そのこともありますけど、いろいろなことが重なりましてね…」
ただ、前々から気になっていたことを、弥生さんから聞くチャンスだと、僕は思った。

「…あの、弥生さん」
「うん?」
「僕と、その、やってから、お袋と距離を置いたのは…」
「…うん、匠くんに、いつかは聞かれると思ってた」

「幼い時からの親友だったのに…やっぱりお袋は僕たちの関係、許せなかったんですかね?…」
僕の問いに弥生さんは、ゆっくりとグラスを回転させながら、物思いに耽る表情を作った。

「操はさばけた女よ…高校生だった匠くんが私と関係を持ったからといって、咎めはしなかったは…」
…ああ、お袋なら僕が年上の女性にプライベートレッスンを受けたとしても、寛大に受け止めるだろう…
それが親友の弥生さんであったとしても、あの時の弥生さんの状況を知っていれば…咎めることなんて出来なかった…
そんなところだろう…

それじゃあ…どうしてお袋と弥生さんはこんな状態になったんだ?

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