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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 144

「お茶というよりも、アルコールが飲みたい気分なんですがね…」
「あらぁご主人様と飲んでいたんじゃありませんの?…」
おっと今は…和彦さんのことは考えたくは無いんですがね…;

「いえ…月を見ていたら、もう一杯やりたくなりましてね…」
「それなら、庭師の伊藤さんのお宅に行ってみます?…あの家の地下にはワイン庫があるんですよ…」

…何でも有りですね。
「今は誰もいないと思いますので」
あれ、啓くんはともかくお父さんはどうしたのでしょう。

それでも一杯飲みたい思いには勝てず、杏さんについていくことにする。

離れの住み込みの邸宅にしては大きい。
その中にワイナリーがあるとはね。
「あ、杏さん、匠さん、いらっしゃいませー」
中には何故かメイドの純ちゃんと弥生さんがいた。

「あれ?どうしてここに?…」
「伊藤さんは庭師でありながら、優秀なソムリエでもあるんですよ…だから毎晩ワインのこと教えてもらっているんです。」
「へぇ〜この家所有のワインって、かなり凄そうだよね…」
「ええ…代々受け継がれてきたものは、値段など着けられない程基調なものもあるんですって…」
そんな基調なものを伊藤さんは守っているって訳か…
そういえば、夕食会の時にもいなかったし、まだ伊藤さんには会っていないよな…

庭師でもありソムリエでもある…一見結びつけにくい二つの職業だけど、伊藤さんはそれだけに忙しいのだろう。

「匠さ〜ん、一杯いかがっすかあ〜」
…何やら出来上がった雰囲気の純ちゃん。
…お嬢様にお仕えするメイドがそんなでいいんですか…

グラスに注がれる血のような赤い液体を見ながら、杏さんに聞いてみる。
「庭師でソムリエって、何か共通点はあるんですかね?」
「クス、私も始めは不思議に思ったは…
伊藤さんのお家は先祖代々この青山家に仕える庭師なんだそうよ。
その道に進むのを嫌った若い頃の伊藤さんは、家を出てバーテンダーになったそうなの。」
…なんか決められた道に進むのに抵抗するのって、若いころにありがちだよな。
「ソムリエの免許も取って…自分の店も持って…だけど上手くはいかなかったらしいは…」
「それでこの家に戻って来て、庭師を継いだんですね…」

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