ありのままに生きたくて 9
「うわー、きゃー!」
慌てて窓の、彼の視界から消え去る。
「何やってんだ私…」
自分でも今顔真っ赤だなぁ、って思うくらい顔が熱くなった。
ちょっと顔を合わせづらいかもなぁ…
ちょっと時間をおいて下から家のドアが開くカランカランという音が聞こえた。
「尊(たける)兄ぃー!ショウリュウブルーのお姉ちゃんいるよぉー!!」
尊くんって言うんだ…
変なもの見せちゃって、後で謝っておかなくちゃいけないな(汗
そんな中コンコンとノックの音…
「藍さんよかったら下で冷たいもんでも飲みませんか?。丁度、尊も帰ってきたみたいなんで紹介しますよ…」
隆太さんがドアの向こうから声を掛けてくれる。
ドアを開かないところがなかなかの紳士だ。
「はーい、ありがとうございますっ」
私は返事しながらブラをつけなおし、ジーパンをはいて身だしなみも整える。
隆太さんが声かけなかったらこのままでご対面だってあり得たかもしれない。アブナイ危ない。
慌てた素振りを見せないように階段はゆっくり降りた。
「あっ、君が尊くんだね〜」
「すげえ、本物だ…」
いやー、素で驚いてるところがなんかまた、可愛いよなぁ。
「お姉ちゃんこれから一緒に住むんだってェ」
私の手を取り握手するように上下に動かす優くん…
優くんはかなり人懐っこいので気が楽だ。
「尊くんもよろしくお願いします。暫く二階の隆太さんの隣の部屋を使わせてもらうことになったの…」
今まで学んできた名いっぱいの作り笑顔を尊くんに向ける。
「あ、、さっき見下ろしてた部屋だろ…下から見えたから分かってる…」
顔を赤らめる尊くん…
きっと私のパンツ姿を思い出しているに違いない(汗
「あはは…ごめんね…」
それには頭を掻いて視線を逸らしながら謝るほかない。
完全に私の失態だ。
「なんかあったのか?」
「なんでもないです」
「なんでもないよ」
私と尊くんがそろって言葉を返すので、隆太さんは頭に?を浮かべた様子だった。
「兄ちゃんと僕は向かいの部屋を使ってるんだぁ」
「そうなんだぁ」
尊くんと優くんは同部屋なのね。