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ありのままに生きたくて
官能リレー小説 - 純愛

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ありのままに生きたくて 11

恋愛禁止だというお達しはなかったと思うのだが、そう言われててもおかしくないだろっていう環境だった。例の特撮のキャスト、スタッフが集まる食事会も、なかなかOKを出してもらえなかった。
そのOKは女同士だったらあっさり出るのだけど(一緒に行った先輩にはすごくお世話になった。感謝しています)。

それなのに私がストーカーに苦しんでいた時には何の対処もしてくれなかった。
母に内緒で知り合いの俳優さんの家に住まわせてもらい、その時に運悪く週刊誌に報じられて、物凄く怒られて、大喧嘩して…それがこの放浪のきっかけになった。

そもそも男の人との関係はその俳優さんとだけだし、ネットで出回ったヤリマンなんてことは全く無かった。
多分お母さんはああいった噂も多少は信じていたのかもしれないとも思う。
その思いが人間不信に陥り、よくしてくれた俳優さんとも上手くはいかなくなったのだ…

今にして思うとその俳優さんには悪い事をしたと思う。
付き合い始めだのだって、好きとか愛とか関係なく、ただそういうことに興味があったに過ぎなかったとも思う…

それは多分、思春期真っ只中の尊くんと何ら変わらない…
ただ…Hなことに興味があったに過ぎなかったんだと今は思えてならない…

確かに、凄くいい経験だったことに間違いはない。
それと引き換えに、私は何か大切なものを失ったんだと思う。

まあ、過去を引きずっていてはいけない。
その人には謝り倒した。懐の広い人で良かったと思う。

「尊くんはそういう人いないの?」
「……………」
「まあ、緊張してて何も言えないんスよ、きっと」

慌てて隆太さんがフォローを入れる。

この位の年齢の男子にこういった事を聞いちゃいけないのかもしれないな…
「それなら隆太さんはどうなんです?…カノジョさんとかいないの?」
気になっていたことを聞くのに丁度いい機会だ。
尊くんよりもずっと、隆太さんにカノジョがいるかの方が気になる。

「なかなか上手くいかなくて…残念ながら居ないんです…」
ちょっと意味深な答えだな…

「それじゃ好きな人は?」
ちょっと突っ込み過ぎかしら?

「それは…まぁずっと片思いみたいなもんですよ…」
いるってことね…
誤魔化さずにちゃんと答えてくれるなんて、やっぱり隆太さんは真面目な人だな…

そんな隆太さんに惚れてしまいそうになる私もいる。
こういう真面目で誠実そうな人は、心惹かれるところがあるんだもの。

「盛り上がってるところごめんね〜、出来たわよ〜」
「おぉ」
「おいしそーっ!!」
「今日は藍さんも来てくれたし、腕によりをかけて頑張ったわよっ」
「なんかごめんなさいっ」
「いいのいいの。藍さんはもう立派なうちの家族なんだからぁ」

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