僕の夏詩-七夕の奇跡- 8
無理もない。なぜならツバキは白いYシャツ一枚に内側の下着がうっすらと映っている。
「!ちょ、キラト!どこ見てんの!」
「いや、ご、ごめん。でも改めて大人の女性って感じだね。」
「当たり前よ!同い年の男女なら女の方が大人よ。」
そう言いながらツバキもキラトの下半身を覗いた。
2人しかいない保健室で不思議な空気が流れた。
制服のズボンがこんもりと膨らみを見せていた。
そこを見つめるツバキの頭の中には、あの日病室で見た、キラトの身体が浮かんできていた。
色白の肌は仄んのりとピンクがかり、そしてキラトのそこには、薄茶の茂みをすっかりと生え揃えていたのだ。
(『大人の女性』だなんて、キラトだって充分、『大人の男性』のくせに・・)
ツバキは幾分か頬を膨らませながらも、肌同様に色淡かったキラトの性器を思い出し、顔が高揚してくるのが分かった。
「ね…ねぇ、キラト」
「何?ツバキ」
「…キス、しよっか」
「ええぇ!急にどうしたの?」
「アタシ達はさ、もう身体は大人だよ。あの頃とは違うんだよ…それに。」
「それに?」
「キラトはアタシが他の男と、その…えっえええ…エッチしてもいいの?」
その時、僕の胸の中が刺さる痛みを感じた。もしもツバキが他の男とキスやエッチをしたらと言うことを。
「イヤだよ!ツバキは僕のモノだよ!誰にも渡さない!」
「だったら、アタシの初めてをキラトにアゲる」
そう言ってツバキはキラトに唇を交わした。
「んっ、ちゅ。まずはアタシのファーストキス。」
「え、ツバキも初めてなの?」
「そ、そうよ。さっき言ったじゃん。それに『も』ってことはキラトも初めてなの?」
「当たり前だよ!それにまだエッチだって……」
「へぇ〜。したことないんだ。童貞?」
「うるさい、ツバキは?」
「…アタシだって初めてよ…だからキラトにアタシの…処女を…捧げるわ」
「本当にいいの?」
「…くどい!…女の子に恥をかかせないでよ、バカ」
そして2人は保健室のベットの上で裸になった。
そしてツバキは思った。
もうアタシの命は短い。だから、だからこそ、最愛のキラトに。アタシを大切にしてくれるキラトに処女を捧げることができる。
そう思ったツバキの目から涙が流れた。
人が好きな人と結ばれることがどれくらい嬉しくかけがえのないことかをツバキ自身の心の中に深く感じていた。
「…キラト好き…好きよ…愛してる……」