僕の夏詩-七夕の奇跡- 7
その光の先には天の羽衣を身に纏った天女が現れた。
「久しいの、ツバキ。」
「あの時の天女!」
いつ見ても同姓までもを魅了する美貌に驚かされるツバキだった。
「実はお主の、命が残り少なくなってきた。さらにあの娘、織姫とやらがおるな。」
「…あっいますけど…」
何で天女は織姫を知ってるんだろう?
「…ふむ。お主にはまだ言ってなかったのう、あの織姫は妾の一人娘じゃ」
「ふーん、一人娘ねぇ。なるほど。」
「……」
「「「えーーーー!マジ?、ホントに!」」」
「ホントじゃ。驚くほどではない。」
ってことは、ひっ、ひと、人妻。
「そうじゃ。」
「へーっ天女を娶る男って…って、何で織姫が、私達の幼なじみなのよ!」
「そんなことより、お主の命は残り少なくなってきたことの警告を、まずはしにきた。また何かあれば現れるぞ。」
…………
「!ハッ!」
目を開けると天井が見える。
「そっか、あたし倒れて、あっ…」
落ち着いて周りを見渡すと学園の保健室のベッドにいる。ツバキは片腕の先で人肌の温もりを感じて見ると
「キラト……。」
どうやらキラトは心配して付きっきりでいたらしい。
「……バカね、アンタのが昔は身体が弱かったくせに…」
ベッドのシーツに水滴が零れ落ちる。
「…っキラト…うぅぅ……」
ツバキは思った。自分の命が残り少なくなって、突きつけられる死の宣告のように悲惨にも時は過ぎてゆく。
死ぬのは怖い、ホントは生きていたいと思っていた。
しかし死んでるはずの彼が生きてくれるならと強く願いた。
「はっ!ツバキ!ツバキ!!よかった!」
「急に意識がなくなって驚いたよ。」
キラトはツバキを見て、胸が大きくなったなと思った。