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お嬢様と@ウィーン旅行
官能リレー小説 - 純愛

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お嬢様と@ウィーン旅行 9

珍しくお嬢様が膨れっ面をされた。
「お嬢様、大変失礼ですが・・・・・・今のお言葉、表情は素ですか?」
「そうだけど?」
「そうですか。少し驚きました。」
「そうか・・・・・・そうよね。だって社長令嬢だもん。あんまり膨れたり怒ったりできないわよ。」
「そうですね。」
「それだけ君の前では何でもアリなのね。」
「僕はそういう人間ですか?」
「もちろん良い意味でね。君には何でも話せるし、歳も同じだし、二人っきりでも心配にならないわ。信用してるし。」
「ありがとうございます。」
「さてと、午後は如何しようか?」
「お嬢様、庶民の食事をされて見ませんか?」
「ふふふ。それも良いわね。」
「ケバブは如何ですか?」
「それって確か屋台につるされてる肉を焙ってパンに挟むやつよね。」
「あ・・・・・・お気に召しませんか?」
「ちょっと衛生的じゃないと思うわ。」
「申し訳ありません!本当に・・・・・・お嬢様に対する気遣いが足りませんでした・・・・・・」
「良いわよ。ちょっと食べてみましょう。」
「あの・・・・・・僕の顔を立てなくても・・・・・・」
「良いの。ちょっと興味あるわ。」
お嬢様と屋台に向かった。
「Kann ich Ihnen helfen(ご入用ですか)?」
「Hallo(こんにちは).Das nehme ich(これをください).」
僕はケバブの見本らしきものを指して言った。すると
「Mitallem?」
香辛料などを全部乗せるのか聞いてきた。
「お嬢様、タマネギとチリソース、キャベツの千切りは全て入れますか?」
「え〜とチリソース無しで。」
「Ohne chili.」
「Ja.」
お嬢様はケバブをお口にされてからこう仰った。
「ん〜。合格かも。ところでさっき何て言ってたの?」
「『ohne』は『〜無しで』といった感じです。チリソースを無しにしてもらえるように言ってみました。正しいドイツ語か否かは分かりませんが、あれでいつも通じます。また、全部入れてほしいときは『alles』で『全部』の意味になる様です。」
「ふ〜ん。ところで君も食べる?」
お嬢様は食べかけのケバブを差し出した。
「もう宜しいのですか?」
「一緒に食べよ。」
「お嬢様、宜しいのですか?」
「何よ〜。私の食べかけじゃ嫌なわけ?」
「僕は構いませんが・・・・・・お嬢様は・・・・・・」
「私も気にしないわ。」
僕はお言葉に甘え、
「頂きます。」
お嬢様から渡されたケバブを一口頂いた。
「あ〜間接キス〜。」
「お嬢様・・・・・・」
「な〜んてね。ふふっ。」
お嬢様は僕の手からケバブを取り何事もなかったように又お召し上がりになった。

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