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お嬢様と@ウィーン旅行
官能リレー小説 - 純愛

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お嬢様と@ウィーン旅行 8

シェーンブルン宮殿の受付の人に言った。
「Wir kommen aus Japan(私達は日本から着ました).Gibt es jemanden,der japanisch spricht(誰か日本語を話せる人はいますか)?」
こういった所では日本人の扱いは別格だ。日本語を話せる人もいる筈である。しかしこのとき返された答えには驚いた。
「ニホ〜ンゴ デ ダイジョウ〜ブ デスヨ。」
するとお嬢様は
「日本語ガイドを貸してほしいんだけど。それと学生料金でね。」
「ワカ〜リ マシタ。」
シェーンブルン宮殿見学が始まった。

『ハプスブルグ家は・・・・・・』
『カール1世の肉声が・・・・・・』
『・・・・・・音声ガイドをお返しください・・・・・・』
「もう終わりかしら?」
「お嬢様、宜しければ庭園とその先にあるグロリエッテ(展望テラス)にも行きませんでしょうか?」
「そうね。そこで写真も取りましょう。それからあの迷路みたいなのにも行きましょう。」
お嬢様はかなり楽しんでいる御様子だ。
「お土産も買って行きましょう。」
「お嬢様、モーツァルトチョコレートはここで買わないほうが良いですよ。」
「そうなの?」
「スーパーマーケットのほうが断然安いので・・・・・・あ、お嬢様のプライドがそういった場所を好まないとおっしゃるならばそれは・・・・・・構いませんが・・・・・・」
「・・・・・・今私と君の関係は?」
「・・・・・・友達です・・・・・・」
「そうね。じゃあ君の言う通りスーパーマーケットにしておくわ。」
「すみません・・・・・・」
「良いのよ。それより良い情報をありがと。」
お嬢様は僕を気遣うように優しく微笑み、僕の手を取ってシェーンブルン宮殿を後にした。

帰りの地下鉄に乗るとお嬢様は
「3日分の宿如何しようか?」
と聞いてきた。
「そうですね・・・・・・お嬢様の格式に合うか分かりませんが・・・・・・」
「何でも言って良いわよ。言いたいことはちゃんと言う約束でしょ。」
「はい。ザルツブルグへ旅行されませんか?モーツァルトの故郷ですよ。」
「良いわね。」
「そこでホテルNeutorに泊まりましょう。『地球の歩き方』には乗っていないホテルですが。」
「ユースホステルは嫌よ。」
「いえ、それなりに高級そうなホテルですよ。90ユーロ前後で泊まれます。」
「よく知ってるわね。」
「去年行って参りましたから。」
「心強いわ。で、二人部屋だとどうなるのかしら?」
「多少安くなると思います。確約は出来ませんが。」
「そう。じゃあそこにするわ。」
「はい。それと、一ヶ月有効フリーパスを買いましょう。」
「そうね。」
「あ、今ではなく明日8月1日に買えば8月31日までSバーン(国鉄)、トラム(路面電車)、Uバーン(地下鉄)、バスなどが乗り放題です。」
「予習してあって本当に感心するわ。」
「もったいないお言葉です。」
「またそんな言葉を使う〜。」

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