PiPi's World 投稿小説

お嬢様と@ウィーン旅行
官能リレー小説 - 純愛

の最初へ
 26
 28
の最後へ

お嬢様と@ウィーン旅行 28

「全くもう・・・・・・」
帰りの電車の中でのお嬢様の表情は複雑だった。無理に怒ったフリをされているご様子だ。
「お嬢様・・・・・・もうご機嫌をなおして頂けませんか?」
「君が『好き』を変な意味で使うからいけないのよ。」
「仰るとおりです。申し訳ありません。」
ここはお嬢様に謝り続けるしかなさそうだ。
「しょうがないわね・・・・・・彼氏だから特別に許してあげる。」
「本当ですか。ありがとうございます。」
「今夜たっぷり付き合ってもらうからね。」
「はい。」
「それで、お夕飯は如何する?」
すっかりお嬢様のご機嫌は直ったようだ。
「そうですね・・・・・・またレストランにでも参りましょうか?」
「どこか良い所ある?」
「このままU1でStephansplatzまで行きませんか?『地球の歩き方』に出ている名店がいくつかあります。そこで宜しいでしょうか?」
「良いわ。でも電車を降りてからは私が決めるわよ。」
「分かりました。どこまでもお供いたします。」
「そういう言い方をしないの。」
「すみません・・・・・・」

お嬢様が選んだレストランに着いた。
「これ何?」
「Wursttellerはソーセージの盛り合わせです。」
「ふ〜ん。これは?」
「Semmelは小型のパンです。この欄に書いてある料理に一緒についてくるということのようですね。」
「Salatはサラダ?」
「その通りです。」
「じゃあぱっと目に付いたにも何かの縁だと思うからこの三つで。」
「そうですか。では僕は・・・・・・Hendelにします。」
「何それ?」
「鳥の丸焼きです。」
「それちょっと分けてくれる?」
「もちろんです。一人では到底食べ切れません。」
「君って少食?」
「そうかもしれませんが、鳥の丸焼きを一人ではなかなか食べきれないかと。」
「ま、それもそうね。今日は君が注文して。」
「はい。Herr Ober(ボーイさん).」
「Ja bitte(はい何でしょうか)?」
「Nummer2,13,16,und20(2番、13番、16番そして20番).」
「Sofort(只今).」
「ねえねえ、最後のは何?」
「Sofortは『すぐに』という意味です。すぐ持ってくるといったニュアンスですね。」
「なるほど。ありがと。」

「So ,bitte sehr.Guten Appetit(どうぞ。美味しくお召し上がりください。).」
「Danke.」
「お嬢様、良い返しです。」
「ふふ。ありがと。ねえ、さっきのはどういう事?」
「Guten Appetitは『良い食欲』、美味しく食べてください。といったところです。」
「そう。分かったわ。さ、頂きましょう。」
「はい。」
食事の味についてお嬢様は、大変満足された御様子だった。

SNSでこの小説を紹介

純愛の他のリレー小説

こちらから小説を探す