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お嬢様と@ウィーン旅行
官能リレー小説 - 純愛

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お嬢様と@ウィーン旅行 24

「あ・・・・・・もう起きてるの?」
「お嬢様。すみません、起こしてしまいましたか?」
「別に良いけど・・・・・・」
お嬢様は少し乱れた髪を気にしながら
「いつも早いわね。」
と続けた。
「いいえ。いつもお嬢様を起こす事は僕の役目ですから。」
「こういう時くらいゆっくりして良いのよ。」
「なんと申しますか・・・体に染み付いてしまっていますから。」
「ふ〜ん。」
お嬢様はベッドに座りながら僕の話を聞いている。
「あの・・・・・・大変恐縮ですが・・・・・・」
「そういう良い方しないの。で。何?」
「胸を隠すか服を着るかして頂けますか?」
「あ、目のやり場に困った?」
「・・・・・・はい。」
お嬢様はベッドから起き上がり普段着を手に取った。まだお嬢様が起きるには大分早い時間だ。
「もう起きますか?」
「ええ。君とゆっくりお喋りもしたいから。」
「そうですか。」
僕はお嬢様に椅子を勧め、コーヒーを淹れた。
「ありがと。いつも気が利くわね。」
お嬢様がお座りになったのを確認してソーサーから手を離し、僕は答えた。
「いえ。いつものことですから。」
「だから『いつも』気が利くって言ったじゃない。」
「いいえ。あ、ミルクとお砂糖はお使いになりますか?」
「ええ。両方。」
僕はスティックシュガーとミルクピッチャーを差し出した。
「ありがと。」
お嬢様はコーヒーをかき混ぜながら
「で、ちょっと話したいことがあるんだけど。」
と話を切り出された。
「はい・・・何でしょうか?」
僕はお嬢様に向かいに座りお嬢様の目を見た。
「やだ・・・・・・そんなに真剣に見ないでよ。スッピンだし。」
「そこまで重要な話ではないと言うことでしょうか?」
「まあね。」
「そうですか。」
僕はそれを聞き自分のコーヒーを一口飲んだ。
「それで本題なんだけど・・・・・・」
「はい。」
今日のお嬢様はやけに前置きと溜が長い。
「あのね・・・」
「・・・はい?」
「今まで隠してたことがあるの。」
「隠してたこと・・・ですか?」
「彼氏になってもらったからにははっきり言わなくちゃいけないの。」
「・・・・・・少し緊張する始まり方ですね。」
「・・・ええ。でも安心して。別れろなんて言わないから。」
「ただ、お嬢様のためにならない、お嬢様のご意思にそぐわないと判断させて頂いた場合はその限りではないということでよろしいですか?」
「・・・そうね・・・」
やっと本題に入りそうだ。

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