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お嬢様と@ウィーン旅行
官能リレー小説 - 純愛

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お嬢様と@ウィーン旅行 15

「んん・・・・・・今何時?」
「あ、お嬢様。お早うございます。6時ですね。」
「君は朝早くから何してるの?」
「チェックアウトのための荷物整理です。昨日洗濯してから干したものもありますから。」
「そう・・・・・・もうちょっと私はベッドの中に居たいわ・・・・・・」
「では朝食に何か買って参りましょうか?」
「・・・・・・そうね・・・・・・ありがと・・・」
僕は荷物整理を中断して部屋を施錠。ケバブとピザを買った。
「ただいま戻りました。・・・・・・あれ?お嬢様?」
シャァァァァ
「シャワーですか。」
「ふぅ〜。あ、もう帰ってきたんだ。どっちもらっていいの?」
「お好きな方を、あるいは両方でも。」
「ありがと。」
お嬢様は半分ほどケバブをお召し上がりになり、
「後はあげる。」
と仰り、ピザをかじり始めた。そしてそれも半分程召し上がり、僕に渡した。
「これで大体同じでしょ?」
お嬢様はこういったことは全くお気になさらない様である。

「えーと・・・・・・これですね。」
「路面電車にも乗れるのね。」
「はい。」
「じゃあ行きましょうか。」
少々自動券売機と格闘したが一ヶ月有効フリーパスを買い、ウィーン大学に行った。
「すごい建物ね・・・・・・さすが名門・・・・・・」
「そうですね。お嬢様、記念撮影しますか?」
「そうね。」
僕はデジカメを取り出した。
「お嬢様、撮りますよ〜。」
パシャリ
「君は入らないの?」
「絵が崩れます。」
「彼氏になってくれるんじゃなかったの?」
「一ヶ月限定ですから・・・・・・」
「・・・・・・そっか・・・・・・」
お嬢様は視線を落とした。
「あの・・・・・・こんなことお願いできる身ではありませんが・・・・・・」
「何?」
「本気で付き合っていただけますか?」
「そんなに気を使わなくていいのよ。」
「そうではなく・・・・・・僕は・・・・・・僕は・・・」
「ん?」
「初めてお会いしたときからお嬢様が好きでした。彼女になってください!」
「・・・・・・」
お嬢様は僕の目を見つめ返したまま沈黙されている。僕はこのとき後悔していた。お嬢様と後一月一緒にいるというのに。こんな事をここで言うべきではなかった。お嬢様に断られたら如何すればいいのか、全く考えていなかったのだ。
「ふふふっ・・・そっかぁ・・・・・・そうだったんだ・・・」
お嬢様は意味深に微笑を洩らし、呟く様に言った。
「君は・・・・・・私の事・・・・・・好きだったんだ・・・・・・」
そしてお嬢様は視線を落とした。僕は最悪の状況を覚悟した。お嬢様は視線を戻し僕に向き直った。

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