「Die　speisekarte，bitte（メニューをお願いします）.　」
「Bitte（どうぞ）.」
「わぁ〜凄いわ。これはラーメンね。」
「そうですね。日本料理も多いようですね。」
「そうね。じゃあ・・・・・・ラーメンにしましょう。」
「分かりました。」
「Zwei　davon，bitte（これを二人前ください）.」
「君は注文しないの？」
「先ほどのものを二人前注文させていただきました。」
「君も同じのを？」
「はい・・・・・・恐縮ですが・・・・・・お嬢様と同じものを・・・・・・」
「そういう事を言わないの。」

「う〜ん・・・・・・」
「お嬢様？どうされましたか？」
「ラーメン屋さんに行った事ないからかも知れないけど・・・・・・」
「お口に合いませんでしたか？」
「ラーメンってこんなものだったかな〜？ってね。」
「すみませんが・・・・・・一口ただいてもよろしいでしょうか？」
「同じものでしょ？でもちょっと食べてみたら？」
「いただきます・・・・・・。あ、同じですね・・・・・・」
「こんなものね。」
「庶民の味はお嬢様には合いませんね。」
「そうね・・・・・・」
それでもお嬢様は何とかお召し上がりになった。
「Vielen　Dank（ありがとう）.」
「一応決まり文句ね。」
「そうですね。お嬢様にはお味が濃すぎましたか？」
「あ〜そうなのかも。」
「本当に配慮が足らなくて申し訳ありませんでした。この調子だと失格ですね・・・・・・」
「旅行には失敗がつき物よ。それに誰がクビって言っても私が君をクビにはさせないわ。」
「お父様が仰ってもですか？」
「私が我侭だってことくらいパパも知ってるわ。何なら私と駆け落ちでもする？」
「お嬢様・・・・・・そこまでは・・・・・・」
「あら？私は構わないわよ。」
「そんな僕なんかと・・・・・・」
「君だから良いんじゃない。」
「もったいないお言・・・・・・」
お嬢様は僕の言葉を遮りこう言った。
「その台詞は今後一切禁止ね。」
「はい・・・・・・」
「そういう顔しないの。」
お嬢様は僕の手を取りホテルへ向かわれた。
ホテルに着き、僕は昨日までの衣類の洗濯を始めた。そこにお嬢様が入ってきた。
「ちょっと話したいことがあるんだけど、仕事しながらで良いから聞いて。」
「はい、何でしょうか？」
「・・・・・・あのね・・・一ヶ月の間でも良いから・・・・・・彼氏になって。」
「え？僕がですか？お嬢様本気ですか？」
僕が振り返ると
「大真面目よ。」
お嬢様は僕の目を真っ直ぐ見て言った。
「はいっ喜んで！」
僕がそういうとお嬢様は抱きついてきた。
「あ、お嬢様洗剤で汚れますよ。」
「良いわよ。それよりありがと。」