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それが男の夢見てた世界
官能リレー小説 - その他

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それが男の夢見てた世界 25

知的な表情によく似合う眼鏡のズレを直しながら、マーニャは俺の方を見た。
「こんな時間でナターシャが来たって事は、お兄さんが手伝ってくれたんだね……あたしはマハラーニャ、マーニャでいいよ」
気さくな笑みで俺にそう言う。
「別に大した事はしてないさ……それより、この水車小屋は電気を起こす為の物かい?」
「うん、そうだね……修理さえすればいけそうみたい」
俺の問いかけに、マーニャは手に持ってるスパナをクルクルと回しながら楽しそうに言う。

「マーニャは機械に詳しいんですぅ。だからすっごく頼りになるんですよぉ。」
「へぇ…そうだ、何か手伝えることはあるか?遠慮なく言ってくれよ。」
水車が動くようになって電気が起きれば、この島での生活の大きな助けになる。だが大掛かりな機械なら、女子だけの力では出来ることなどたかがしれたもんだろう。
俺の申し出に、マーニャは額の汗を拭いながら答えを返した。
「じゃあ…配線は大体つながったから、お兄さんはパーツのセットをしてくれない?私たちじゃ持ち上げられないんだ。」
「分かったよ。力仕事は男に任せてくれ。」

俺は重いモーターを持ち上げてセットしたのだが、此処である疑問が湧いた。
あの壁に書かれていた年の割にはモーターが比較的に新しいのだ。
確かにモーターその物も見た目五十年位前と思われるのだが、書かれた1856年と比べたらどう見ても新しいのだ。
とりあえず俺はセットを終えると近くでつっ立ってたナターシャに告げる。
「ナターシャは皆の所に戻って小屋から出してきた物の中から電気製品を分けてくる様に伝えて来て、終えたら此処に戻ってくること」
ナターシャは「は〜い」と少し頼りない返事をして皆の元へと向かった。
ナターシャが離れたのを確認すると、俺は改めてマーニャに向き直った。
気の弱いナターシャに俺の推測を話したら、きっと動揺しすぎて大事になってしまう。だが、マーニャなら恐らくは信用できる。根拠のない推測でも、冷静に受け止めてくれるはずだ。
「マーニャ。おかしいと思わないか?」
「何が?」
「そのモーター、どうも比較的新しいように俺には見える。それだけじゃない…無人島にしては、色々と材料が調達しやすすぎる。まるで直前まで誰かがここにいたみたいだ。あるいは…」
「……ま、まさか…まだここにいるとか?」
「ああ可能性はある、ただ食糧調達の際に島の探索をしているが一ヶ所を除いて人気が全く無いんだ」
「で、その一ヶ所とは…」
「島の中央にある家の大きさ程の塔がある…詳しくは調べては無いが…」
「塔ですか…」
「ただその塔もこのモーターと同じで壁の置き書きには既に存在を示していながら、とても150年前の建物とは思えない現代的な物なんだ」
「そうなんだ…ねぇ壁の置き書きの事を詳しく教えてくれない?」
俺はマーニャに壁の置き書きの事を島の探索で分かった事を交えて話した。
勿論、俺達の身体に起きている事も含めて…

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