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それが男の夢見てた世界
官能リレー小説 - その他

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それが男の夢見てた世界 20

「きゃあぁぁぁぁ〜!!」
俺がそんな事を考えていると、突然ナターシャの悲鳴が聞こえた。
「どうしたっ!?」
「そ、そこに、大きな蜘蛛がぁ〜!!」
俺はナターシャが指差す方を見る。確かにそこには蜘蛛がいたが、そんなに言う程大きくなかった。
俺はため息をつくと、足下に落ちていた木の棒でその蜘蛛を外に追い出した。
「ほら、もう大丈夫だ」
「凄いですぅ〜!!」
ナターシャはそう言うと、俺に抱きついて来た。
「おいおい、大げさだな。そんなにはしゃぐ程の事じゃないだろう?」
「・・・・・・・・・」
しかし、ナターシャは答えなかった。
「ナターシャ?」
俺は訝しげに思い、ナターシャを見た。
「・・・・・どうして?」
「え?」
「どうして・・・あなたは、ナターシャに優しくしてくれるの?今まで、お父様も、お母様も、お姉様達も・・・誰も・・・誰も、優しくしてくれなかったのに・・・どうして?」
そう言うと、ナターシャは俺の顔を見上げてきた。
今までのナターシャと違って、口調はしっかりとしていた。今までの子供っぽい振る舞いから、突然大人びたその表情を見て、俺は思わずドキリとしてしまった。
「唯一・・・優しくしてくれたお兄ちゃんも・・・もう・・・」
「・・・・・・何かあったのか?」
「・・・ナターシャがまだ小さい頃に・・・交通事故に遭って・・・」
そう言うと、ナターシャが涙を流した。
「・・・・・・・・・」
俺は無言のままナターシャを強く抱きしめた。
「・・・・・・心配するな。これから、俺がナターシャを守ってやる。俺がいっぱい優しくしてやる」
「・・・ぐす・・・お兄ちゃん・・・・・・」
ナターシャは俺をそう呼ぶと、ぎゅっとより強く抱きついて来た。
「あっ!?」
突然、ナターシャが驚いたような声を上げた。その顔を見ると、真っ赤になっていた。
「お兄ちゃんの・・・大きくなってますぅ〜♪」
そう。見境の無い俺の分身は、この状況で元気一杯に自己主張していた。

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