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船内イベント
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船内イベント 5

「米津さん、頑張ってください!」
僕は米津さんにエールを送った。
「ああ」
米津さんは短く返事をした。
米津さんは3Aの部屋になったがこれが当たりなのか外れなのかどうか、僕にも幸生にもわからなかった。
米津さんが指定された部屋に行ってしまうと、不安がぶり返して来ていた。このまま客室に戻ろうかとも思ったが、せっかくここまで来たのだから最後まで見届けようと思った。
「さて、次に行きましょうか」
司会者はそう言いながらルーレットを回していき、次々に男が部屋の中へと消えていく。
幸生の番になった。
幸生は素早く前に進んで行った。
「おめでとうございます!あなたは大当たりですよ!99Aの部屋です!」
司会の男は嬉しそうな声をあげた。
「おお!ラッキー!」
幸生はガッツポーズをして戻って来る。
「良かったな」
「まあな。それより、次はお前だぞ」
「あ、うん…」
僕は幸生に背中を押されてルーレットの前に立つ。
果たして僕の運命はどうなるのだろう。
心臓がドキドキしている。
結果はまたしても99Aの部屋、つまりは大当たりであった。
司会者は興奮気味にこう言った。
「すごい!こんな事ってあるんですね!信じられません。まさか、この二人が連続で同じ部屋になるとは…!」
司会者は僕と幸生を交互に見た。
僕達はお互いに顔を見合わせた。
「えっと…二人が同じ部屋になるなんてありうるんですか?」
僕は恐る恐る訊いてみた。
「確率から考えれば、ありえない事です。しかし、現実として起こってしまいました。これはまさに奇跡と呼ぶにふさわしい出来事でしょう」
司会者が言うととたんに会場もざわめいた。
「おいおい、マジかよ」
「こんな偶然があるのか?」
「あの二人スゲーな」
会場のあちこちでそんな言葉が交わされている。
僕はなんと言っていいのかわからなかった。
「部屋に入るのが二人なら安心出来るな。良かったじゃないか」
幸生が僕に言う。確かに幸生が一緒だと心強い。
「よし、行こうぜ」
幸生はそう言って先に歩き出す。僕は覚悟を決めて彼の後を追った。

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