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妄想少女
官能リレー小説 - その他

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妄想少女 31

母の好みは年下で可愛らしい男子。
言うなれば優馬みたいなのらしい。
浮気相手がかなり年下の部下らしいから、そう言うのが好みなのだと思う。
言うなれば母と娘で男の好みは同じみたいだ。

そんな母が万札をポンとテーブルに置く。

「まあこれで男を誘う下着でも買いなさいな」
「有り難く頂いて普通の下着買うわ」

お金に煩くないのはいい所だ。
私は作った料理をテーブルに並べながらお金を有り難く頂く。
殆ど一人で食べていた私にとって久しぶりの母との夕食・・・
母が作らないのは、元々そう言うスキルは殆ど無くて私の知る母の味はレトルトだからだ。
正直、自分で作った方が美味しいし、母も最近は特に全く作る気すらない。
私が料理面倒と言えば間違いなく外食になる。

「本当に料理が上手くなったよねぇ・・・尚更金持ち捕まえないと勿体無いね」
「娘に何言ってんだか」

本当に一言多い。
でも嫌にならないのは母親だからだろうか。
こんな不毛なやり取りですら楽しめてる自分がいる。

優馬のお家はお金持ちってレベルではないけど、割と裕福なお坊ちゃんだったりする。
お姉さんは私立の女子校に行ってるって聞いたし。

「私が料理しなくていいのもいい男を捕まえたおかげよ」
「まあね」

うちの父は釣りとかキャンプとか登山とか、アウトドアなことは大概大好きな人である。父の手料理はマジで美味しい。最近はつくってくれる機会がないのが残念だけど。

私たちが夕食を終えた頃、その父も帰ってくる。

こんな時間に両親が揃うのは珍しい。
数ヶ月ぶりじゃなかろうか。

「おかえりなさい、お仕事順調だったのね」

母は私の会話より甘い声と顔と言うか、違う顔を見せる。
夫婦だから当然と言えばそれまでだけど、私が2人の浮気に気づいたのも、こんな態度がいつしか不自然に見えたからだった。

「ああ、ただいま・・・今日は順調だったからね」

微笑む父。
こちらも何か不自然に感じる。
2人して夫婦と言う演劇をしてるような感じだ。
これが仮面夫婦って奴なんだろうか。

そして父が私をギュッと抱きしめてくる。

「すずは今日も可愛いなぁ」
「もうっ、娘口説くパパなんて普通いないよ!」

娘に対する愛情はあると思う。
だけど、触り方がちょっとエロい。
それでも嫌な気分にならないのは、イケオジだからかもしれない。
娘贔屓でなくてもモテるのが分かる。

「あら、私は抱いてくれないの?」
「そんな事はないさ・・・さあ、おいで」

そんな風に言い合って抱き合う2人。
側から見れば仲の良い夫婦に見えるだろう。
でも私には演劇っぽく見えるし、何より熱を感じない。

私がこの空気に気づいたのは、小学校卒業の直前あたり。
父も母も出張とか泊まり込みの仕事だとかがポツポツ出始めたのがその頃のこと。
高学年に入った頃から生活スキルは身につけていたから問題はなかったけど、その時からお互いの浮気も始まっていたのかなぁ、と。

母がそうであるように、父の好みも母とは真逆のタイプの女性なのだろう。

それは母より分かり易く、私に求めている事で分かる。

たまに父だけが早く帰ってくる日があるが、料理をすれば褒めてくれるし、部屋の掃除が行き届いているのも褒めてくれる。
つまり、母とは違い家庭的な女が好みなんだろう。

それに晩酌する時は、私を横に座らせてお酌をさせる訳だが、その身体の密着させ方や抱き寄せ方が多分・・・
そう言うお店で女にしている態度なんだと思った。
それと、娘を自分好みの女にしたい欲求もあるのかもしれない。

そんか父の食事も私が用意する。
母はスキンシップを終わらせると『お風呂に入ってくるわ』とダイニングキッチンから出て行く。
半分、娘を差し出しときゃ私楽でいいわってのが透けて見えるのが母らしい所だ。

そう言う訳で、私は父の隣で晩酌に付き合う事になる。
今日も食事を終え、お酒を飲む時の私の腰に手を回すのがそう言う店のようだった。

「本当に今日もすずは可愛いなぁ」
「もうっ、お店でもそう女の子に言ってるんでしょ?!」
「馬鹿だなぁ・・・パパはすず一筋だよ」

これでコロッと騙せる女も多いだろう。
私も嫌な気はしないし。

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