燃え上がる赤い宝石 5
「あ、ああ…あ…」
「お、おお…」
山賊達は、そのあまりの快感に言葉を失っていた。炎と化した欲望は、欲望を放てば放つほど勢いを増していく。
山賊達は、自らが放った欲望の炎に飲み込まれていく。やがて全員が断末魔のような叫びを上げて、究極の快感の渦の中で連結した。
屈強な山賊達が豪火の中で互いのアナルを犯し合う姿は、無残で倒錯的で、異様なエロティシズムに満ち満ちていた。
山賊の腰が震え、アナルに濃厚な精を吐き出す。それでも山賊達は腰を振り続け、いつの間にか自らの体までが燃え盛っていた。
燃え盛る人柱が連なる中心には、赤い宝石が一つ、禍々しく光っていた。
「あれって、まさか」
「そうとしか思えない。とんでもない物を発掘してしまった」
「あんな魔宮の宝石を持って帰ったから…」
爆発で吹き飛ばされたセリカとジョゼットは奇跡的に軽傷で、山賊達の命を燃やし尽くす饗宴を慄きながら見つめていた。
「どうする?」
「一度逃げるしかないよ。多分、山賊の命を吸いつくして魔人が復活する」
すでに山賊達は全身が焼け焦げ、いつしか声も上げなくなっていた。
それでも精を互いに注いでいるらしく、腰を何度も震わせている。
さながら松明の環で、赤い宝石の邪念を照らし出しているかのようだ。
「さあ、いまのうちに」
「うん」
セリカとジョゼットは逃げ出した。
すると、赤い宝石はさらに強い光を放ち、彼女達の足元を撃った。
「ひっ!」
「助けてっ!」
山賊達はすべてを吸いつくされ、燃やし尽くされて灰になり、炎より紅い禍々しい紅が、洞窟と彼女達を照らす唯一の光だ。
そして宝石からは、むくむくと何かが膨れ上がり、やがて人の形を取った。
だがその肌は青黒く、人間であればイケメンといっていい貌には赤黒い瞳、側頭部には羊のような角。
スリムに引き締まった体躯は、上質な礼服に包まれている。
その彼が口を開くと、人ならざる八重歯、いや牙が2本、上歯列に含まれていた。どこか毒蛇を思わせる。
意外にも、山賊達への扱いが嘘のような穏やかな口調で話し始めた。
「お嬢さん達はよき贄を捧げてくれたな。礼をしたいのに逃げないでもらえるか?」
「ひっ!」
「あああ…」