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天才作家の性
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天才作家の性 5

美雨にとっても、絶対に負けられない。
こんな屑にこの身を委ねたくないし、気持ちよくなれるわけがない。
愛する冬樹の事を必死に思い浮かべながら、耐え続けていた。

冬樹さん、助けて……

出会った時の事、小説の話をした時の事、彼のサポートをして秘書のように働いた日々、そして抱かれた日の事……


「いつまでやってんのよ高橋」
はあ、はあ……
「気持ちよかったが、気持ちよくねえ。けっ、何なんだこの女」

女の声が割り込み、流石にスタミナを使い果たしたらしい高橋はレイプを中断した。
美雨を睨みつけながら悪態をつく。
美雨の瞳は、生気を失っておらず高橋と、入ってきた女を睨むように見据えていた。


「そんな怖い顔しないでよ。可愛い顔が台無しよ」
女は美雨をたしなめるように言う。
美雨は表情を変えない。

「コイツには何しても無駄だ」
「いったん休みな、高橋。何回同じことやったって今のアンタには無理よ」
「うるせえ。だったらお前はなんかできるのかよ、マリア」
高橋は捨て台詞を残して部屋から出て行く。

「女同士腹割って話さない?」
美雨から見て、その連れの女―マリアと言うらしい―は異質の存在にしか見えなかった。上下黒の服。美しく長い金髪。綺麗なブルーの瞳。それなのに流ちょうな日本語。

素性不明のこの女に、美雨は高橋への恐怖と同じくらいの不可解さを感じていた。

何なのこの人…日本人じゃなさそうだけど、女なのにこんな酷い事に加担するなんて、どういうつもりなのよ。

金髪の綺麗な女は、軽く肩をすくめた。

「そんなにジロジロ見ないでよ。男の視線を浴びるのは慣れてるつもりだけど、貴女だって私に負けないくらい綺麗なのに」
「一体、何が目当てなの?高橋なんかに貴女みたいな人が与するなんて」

「高橋だってあなたの命を狙ってこんな真似をしたわけじゃないの。試したかった…あなたの大切な人をね」
「試し……?」
そう言われてますます険しい顔をする美雨。マリアは深く考えることかしら、と言ってため息をつく。

「あの人は………冬樹さんと何か関わりがあるんですか?」
「さすが、察しがいいわね」

美雨は必死に考える。冬樹と何か因縁のある相手だろう事は確かだ。そしてそれが何なのか、どうしてこんな女が高橋に与するのか…
もう一度、マリアの顔をよく見てみる。自分より美人で、羨ましいくらい整った顔立ち。
その瞳には、憎しみというよりは、妬みと、そして…
さっきのマリアの言葉を思い出す。「試したかった…あなたの大切な人をね」

(彼は、私よりも冬樹さんを憎んでいる…?)

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