PiPi's World 投稿小説

奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 96
 98
の最後へ

奇跡の男と牝奴隷たち 98

ディオンが目を開けると、ディオンの肩に頭をあずけて見上げているライラの紅い瞳と目が合う。
少し開いた唇、湯でほんのりとほてった白い頬、ほっそりとした首すじや鎖骨、服を着ているときよりもふくよかに見える乳房はディオンの腕に当てられていて、谷間と湯の中にピンクの小さな乳輪と乳首がいっぺんに目に飛び込んでくる。
(きれいだけど、ライラはとても華奢だな)
王都で少年のうちから貴婦人や令嬢たちから寵愛されてきたディオンは、女性たちはドレスの下にコルセットで体を締めつけ、ドレスを着た体の線をきれいに見せようとしていることも知っている。
ほっそりと華奢に見せようとしても、食事を極端に制限してみたりして痩せるだけでは、乳房のふくよかさも失われ、頬もやつれて、肌の艶は褪せてしまう。顔の大きさ、身長、乳房のふくよかさ、骨の太さ、太りやすさなどは、生まれつきなので、どうにもならないところがある。
ドレスを脱いで裸になっても、華奢でそれでも艶やかさもある体つきの女性は実はあまり多くない。
ライラは華奢で小顔だが、極端にやつれているわけではない。
乳房も手にあまるほど豊満で、むっちりと肉づきのよい腰つきの、艶かしい体つきの女性の色気もあるが、ライラにはそうした色気はない。
ライラはコルセットの矯正がいらないほど華奢で、手足も顔も小さい。
吟遊詩人ディオンは、貴族の女性たちの着飾ったり矯正した美しさではなく、むしろ、街で暮らしている女性たちの嘘偽りのないの体つきのほうが美しく思える。とはいえ、ディオンの知り合いにはルミエールやメトラ、マリーナやマノンなど美女たちが多いので普通の基準がずれているところもあるが。
ライラの容姿を王都の貴族の女性たちが見たら、羨望のまなざしと、嫉妬のまなざしを受けるだろう。
「なあに?」
「いや、きれいだなと思って……」
ディオンは言ってから、すぐに目を閉じた。素直に思ったままのことをつい口にしてしまったので、少し照れくさくなったからだった。
(……そんなことない)
ライラは毛玉があらわれるまでは、生気を奪うために、欲情した者たちに身をまかせてきた。
愛撫され、舐められ、精液や愛液にまみれて……。
ライラに魅了された者たちから、生気だけでなく、それぞれライラの生きるために都合のよいものを与えるように誘導してきた。ただ奪うためだけに生きているように思えたときもあった。
きれいな心の人間なら耐え難いことを、ライラはすることで生きのびてきた。
そんなライラを、吟遊詩人ディオンはきれいだと言って、身をまかせて、ライラの好きなようにさせてくれている。
ライラはディオンのそばからそっと離れると、毛玉を両手で持って先に浴槽から上がった。
吟遊詩人ディオンは、浴室から出ていくライラの背中を湯の中から見ていた。その小さな背中は、なぜか少し寂しそうに見えた。
吟遊詩人ディオンはつい長く湯につかりすぎて、少しのほせながら寝室へ。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す