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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 187

「貴方が宰相に就任すれば、私と会う口実などいくらでも。皇子エクトールが玉座を譲られるまでは、私と貴方が後見人となるのですから」
「フラゥレッティ、私が宰相の地位に就任できるかなど、誰も保証できませんよ」
リシャールはフラゥレッティに囁き、細い首すじに軽いキスをした。キスマークが残るようなキスなどしない。
「ああ、リシャール、貴方が私に近づくとすれば、宮廷の権力を握るためだけだとわかっています。でも、今は私だけのもの」
リシャールが背後から抱きしめていた腕をほどき、一歩フラゥレッティから離れた。
振り向いたフラゥレッティの目は潤み、頬は薔薇色に染まっていた。
「抱いてくださらないのですか?」
「政務のために王都へ来たわけではないので、時間はたっぷりと。フラゥレッティ、貴女とゆっくりと話をしてみたい」
「それも良いかもしれませんね。ここでしか私たちは話せませんもの」
宮廷で王の寵愛する愛妾フラゥレッティと親しげに話していれば、王や皇子の耳にも噂は届く。
リシャールは、後宮で籠に飼われた小鳥のようなフラゥレッティの憂鬱や孤独を思い浮かべていた。
毎日話すのは侍女だけで、たまに王や皇子と話すことはあっても身分ある者であることを意識し続けなければならない。
貴公子リシャールは、愛妾フラゥレッティから王や皇子の情報を聞き出すつもりもない。
フラゥレッティが後見人の立場を失ったのち、その空席に宮廷の官僚どもをまとめ上げ、宰相として就任すればよいと考えている。
もしもリシャールでなければ、愛妾フラゥレッティから情報を聞き出したり、愛人の立場を利用して、フラゥレッティに自分が宮廷で優遇されるように頼みこんでみたりするだろう。
リシャールには、フラゥレッティに媚びへつらう気などまったくなかった。
すでに罠は仕掛けてある。
フラゥレッティが無実の罪で立場を追われてその後どうなるのかも考えない。貴公子リシャールは氷のような冷酷さで機会が来るのを待っていた。
「貴女を抱きたくないといえば、男として嘘となります」
そう答えると貴公子リシャールは、フラゥレッティの小さなあごをつまんで顔を上げさせた。フラゥレッティが目を閉じて、リシャールのキスを待つ。
リシャールが唇を重ねると、フラゥレッティが華奢な腕で抱きついてきた。
リシャールの舌先とフラゥレッティの舌先が、ねっとりと淫らに絡みあう。
美貌の二人が淫らにキスしているのを、もし後宮の侍女たちが見ていたら、見とれて熱いため息をつくだろう。


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