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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 82

「……化け物」
マリーナが、赤髪のルシアの言葉の表現にピクッと反応した。
アベコウキが酔っぱらいにからまれたり、家にマリーナの夫が愛人が来てもめたので、ちょっと驚かせたと話を合わせた。
「ごめんなさい、もうイタズラしません」
アベコウキが子供のふりをして、赤髪のルシアにぺこりと頭を下げた。ごちっ、と赤髪のルシアがアベコウキの頭をげんこつをした。
これで、この女神ラーダの目撃情報の件はアベコウキのイタズラということで終わる……はずだった。
アベコウキの隣で椅子に座ってマリーナが黙っていきなり立ち上がった。
(うわっ、やめろ、ここはおとなしくしててくれ)
「コウくん、痛かったでしょ?」
マリーナがげんこつされたあたりを軽く撫で、治癒の魔法で一瞬でこぶを消した。
「子供だからって、魔法を使うからには甘やかしてはいけませんよ」
赤髪のルシアが、過保護すぎると思いながらマリーナにひとこと言った。
「甘やかしてはいけない、ああ、そうですか」
マリーナというより融合している女神ラーダが、アベコウキに手を上げた人間など、今すぐ抹殺するべき、甘やかしてはいけない、とマリーナの思考を導いていく。
アベコウキが、マリーナの手をあわてて握る。
女神ラーダと融合したマリーナと魔銃の騎士ルシアが、騎士団屯所の女子寮で一触即発の状況にアベコウキがヒヤリとしているとき、騎士団隊長ルミエールがやってきた。
ルミエールが目の前のルシアと共闘してかかってきても敗北するとは思っていないのだろう。マリーナがアベコウキの顔をちらっと見た。
や・め・ろ
声を出さずに口だけでマリーナ伝えてみる。
「マリーナ女史、何か私の部下があなたに失礼なことでもありましたか、そうであれば私が謝罪いたします」
ルミエールはルシアよりも人の感情を察することができる人物だった。
「いえ、別に……」
アベコウキに制止されたこともあり、マリーナが着席する。
「ルシア、詳しいことは後で聞こう。すまないが席を外してくれないか?」
「わかりました」
ルミエールに一礼して、ルシアが女子寮の建物から出ていった。
アベコウキは、ダンジョンが完成して、食糧を備蓄保存すればいつでも宿泊可能だと報告した。
「一ヶ月もたっていないが、もう完成とはすごいものだ。ぜひ私も、自分の目で確認したいのだが」
「今すぐ行ってみる?」
「できれば、僧侶メトラも同行させたい。なので後日、マリーナ女史の家に二人で訪問させていただくということでかまわないか?」
「うん。じゃあ、それで」
アベコウキが、これ以上長くいるとまたマリーナが派手な喧嘩でも始めそうな気がして、そそくさと椅子からおりた。
「おや、夕食を食べていかないのか?」
「マリーナさんが作ってくれるから、大丈夫!」
「では、ルミエール様、お待ちしております」
マリーナがそう言って、アベコウキの手をつないで女子寮から出た。
(マリーナ女史の雰囲気が以前とはまるでちがう。どういうことだ?)
ルミエールはアベコウキのように能力値をみることはできないが、人物の風格や雰囲気を感じることができる。
マリーナの記憶や心が融合で消滅したわけではないので、ルミエールに対しての対応は以前と変わらないようにこなせる。
だが、マリーナも以前ではわからなかったルミエールの潜在力を感じ取っていた。
「コウくん、ルミエール様をどう思う?」
「まあ、きれいだとは思うけど」
「そういうことじゃなくて……コウくん、もしかして、ルミエール様と、したいの?」
「どうしてそうなる?」
「ルミエール様って、もしかすると。あ、でも、気のせいかもしれないから、気にしないで」

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