PiPi's World 投稿小説

奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 74
 76
の最後へ

奇跡の男と牝奴隷たち 76

「ラーダ」
アベコウキが目の前に女王と自らを呼ぶ美女の名をつぶやいた。
「あ、ああ……その名でわらわを呼ぶそなたは、やはり、愛しきクリシュナ、それがあなたの今のお姿なのですか?」
賢者は時空の裂け目に飛びこんだあと、若く逞しい姿のものとなっていた。ひたいに目を持つ肉体の種族に。人間ではない種族に。
上空に浮かぶ島を国としていたこの種族は地上から来た謎の若者によって制圧され、その若者に王の証であるクリシュナという名で若者を呼んだ。
若者は自らの名を持たぬ者であったからである。
その巨大な浮遊する島の王家の美しき姫君を、王の地位を継承して娶った。
姫君の名はラーダ。
しかし、若者は空に浮かぶ王国を出奔し、消息を絶った。ラーダも若者を追って王国を捨て地上へ降臨し、時空の裂け目に飛びこんだクリシュナの姿をみた。しかし、その時、ラーダは取り残された。
一度でも天の王国を捨てた者は王国へ帰ることも許されず、地上で再び時空の裂け目が現れるのを待った。ラーダがクリシュナを追って地上へ降臨した理由は、クリシュナが孕ませた卵を、すでに胎内に育んでいたからであった。
ラーダは地上で卵を産み落とした。卵の殻を破り出てきたものは金色の竜であった。
竜は炎を吐き時空の裂け目を作り出し、クリシュナを求めて時空の裂け目へラーダと共に旅立った。
幾度も時空を越え、ラーダと金色の竜は神と崇められ、人間が地上に殖えていった。
ラーダと金色の竜は、その肉体を失ってしまったが、力を合わせることで一時的に仮の肉体を獲得し、時空の裂け目を作り、クリシュナを求めて去っていく。
時空の裂け目を作り出すときに破壊される世界の被害は甚大であった。
ラーダにとっては感動の再会である。
アンドレスの地下に眠る魔力の源が、魔力の結晶のようなラーダと融合すると金色の竜となることを、アベコウキは理解した。
捕獲してみたら、正体は元妻ラーダだった。
「俺はアベコウキだ。それに、今のとりついているのはマリーナというお前の嫌いな人間の体だ」
ミルクを絶頂させられて搾られたラーダが唇を噛んだあと、顔を上げた。目に涙をためて。
「人間が嫌いとはわらわは言ってはおりません。我々に似た姿をしているではありませんか」
アベコウキはその返事を聞いて、ラーダの気が強いところは変わってないと思い、ため息をついた。
「しゃぶれ。ただし、俺が精をもらす前にお前がイッたら、マリーナのなかに戻れ。俺が先にイッたら好きにしろ。もう神の時代は終わったんだ」
アベコウキが一歩前に出て、ラーダの鼻先に勃起したものを近づける。
かつて、人間が地上に殖える前の時代に空中に浮遊する大地に暮らす別の種族がいた。絶頂すると、女神はミルクをこぼす。男神は射精する。女神のミルクは伝承では神酒と呼ばれている。不老不死の麗薬であると。
アベコウキは、ラーダになっているマリーナの頭部を両手でつかんで目を閉じた。
目を閉じてラーダの能力値の快感度を上げ続ける。ラーダはマリーナとはちがう。快感に酔って奉仕ができなくならないように、強く念じて、魔力を使い自分の快感度を抑制しながら、ねっとりとした愛撫で責め続ける。アベコウキが敏感にした快感度を、急に普通に戻してしまう。
(さっきはいきなりだったから隙があったけど、この賭けは失敗だったかな)
じゅるっ……れろっ、つつつっ、ちろちろちろ、じゅっ……じゅぷっ……。
唾液をたっぷりとふくみ、舌先を巧みに駆使して、勃起したものをじっくりと責める。三つの目はアベコウキの表情を観察し、敏感な部分を見つけ出して妖しく笑むように細められる。
アベコウキはラーダのひたいの眼を見ないように目を閉じ続けている。深紅の瞳の魔力で感度を上げられてはたまらない。神族のひたいの眼は敵を威圧し、愛する者に悦びを与える。
目を閉じた状態は、視覚に気を取られない分だけ、物音やふれられた感触がよりはっきりと伝わる。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す