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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 74

もしも、アベコウキがもう少し背が高ければ、地上の酔っぱらいが守護者にふれられたのと同様に気絶していたかもしれない。
マリーナが目を見開いて、全身に寒気のようなものが走っていくのと、子宮のあたりが疼き、アベコウキが腰を激しく動かしている刺激のあたりだけが、熱をおびているのを感じて、甲高い悲鳴のような声を上げた。
それはマリーナの腹部に爪先だけが沈んでいる守護者の叫び声のようでもあった。
急激な快感の荒波がマリーナを襲った。
快感が子宮からアベコウキのぎりぎりで刻んだ魔法の刻印の力で、マリーナの全身のいたるところで熱さとして炸裂する。
「あひぃ、コウくんのがぁ、出てりゅぅ、いっぱい出てりゅぅ、ひぅっ、うぅあああぁぁっ!!」
アベコウキが膣内射精した精液が子宮の中に注ぎ込まれているのも、射精している勃起したものが脈打っているのも、アベコウキの鼓動が激しく高鳴っているのまで、マリーナは感じた。
今まで感じてきた快感とはまったく異なる、アベコウキと体がひとつになったような感覚の快感。マリーナの全身が跳ねるようにびくびくびくびくっと波打つ。
アベコウキを怒りの表情で睨みつけていた守護者の両手がアベコウキの両肩につかみかかっていた。
(射精が止まらない、くっ、服従しやがれ!)
「んひぃぃぃっ、イクぅ、また、イクぅぅぅっ!!」
マリーナが声を上げたとき、守護者の両手が両肩からアベコウキの頬にふれ、明らかにそれまでの怒りの表情ではない守護者の顔が、艶かしい表情で近づいてきた。
目を閉じて腰の動きを止めたアベコウキは、必死で射精がおさまらなければ死ぬかもしれないと恐怖を感じている。
目を閉じた守護者の唇と、アベコウキの唇が重なった。アベコウキが唇に感触があったので驚いて目を開けたとき、射精が鎮静化し始めた。
守護者の姿が薄らいでマリーナの体が七色の光に包まれた。
(はぁ、はぁ、はぁ、やった。捕まえたっ!)
汗だくのアベコウキが疲れ果て、マリーナの胸の上に頬をのせて倒れこんだ。
マリーナは陶酔の中でアベコウキの体を感じながらそのまま深い眠りの中に落ちた。
翌日の午後になり、ようやく目を覚ましたマリーナは、アベコウキを軽くゆさぶって起こした。
「んー、まだ眠い……むにゃ」
アベコウキがうわごとを口にして目をさまさない。マリーナが身を起こして、アベコウキの背中を撫でてみる。
(昨日の夜のあれは何だったんだろう?)
地上では午前中に気絶している商人の男が警備隊の巡回中に発見され、警備隊屯所の牢屋に保護され、昨夜見たことを必死に話していた。
騎士団の二人、レイピアの剣技の使い手マルセリナが気絶している男を保護し「魔銃の騎士」赤髪のルシアが男から頭をかきながら、牢の外で話を聞いていた。
(酔っぱらってへんな夢をみたってことだな)
僧侶メトラがもしも、この禿げ上がった中年男の話を聞いていたら、エード族の神話に登場する七色の光の女神の伝承を、すぐに思い浮かべていたはずである。
エード族の神殿に女神が降臨し、その夜、地底から出現した竜が神殿以外の街を破壊して、女神と共に暁の空へ飛び去っていったという伝承である。
街の住人が戒律を破り、信仰をおろそかにしたので天罰として竜に滅ぼされた。だが、神殿にいた巫女や神官は生き残ったという説話である。

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