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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 61

西域の公主ダルア公は、サンダリオと同じ媚薬を毎日服用している。サンダリオは十日間の間隔をあけて服用しているが、強い効果を実感できる。また、たまに副作用で苦しむのだが、ダルア公は危篤になることなく、愛欲に溺れる日々をすごしていた。
ダルア公が死去したあとは、後見人としてサンダリオを西域の公主とするという遺言状まですでに用意してある。
ダルア公の孕ませた女性たちが産んだ子たちのうちの一人が西域の公主になるまで、名士であるサンダリオが後見人として公主となる計画がある。
(ダルア公を誰かがひそかに毒殺でもしてくれないものだろうか)
サンダリオは寝室のベッドで身を横たえながら考えている。
もしもライラが館の地下通路に潜入していなかったとしたら、北域の公主のヴァイナモ公は西域の公主を殺害した汚名をかぶせられていただろう。
そうなると北域の公主ヴァイナモ公は西域へ宣戦布告する可能性はある。
そうなればサンダリオは西域の公主として南公領主イグナートに協力を要請するだろう。
(あの牝ガキ、北域の公主ヴァイナモが飼い主か、東域の公主リシャールが飼い主か、それとも王都の騎士だったか。誰が飼い主でも同じことだ)
南域から兵を送りこみ西域で滞在させる理由があれば、表面上では西域と南域で別々に統治しているように見せかけて、内部的には南公主イグナートの支配地とすることができる。
(西域の民が逆らえば、武力鎮圧すればよいだけのことだ)
サンダリオは、西域などたやすく南公主イグナートの手に落ちるものと思っていた。
野心などまったくない領主であるクロノバルコや、主力部隊が襲ってくると判断できる南域に近い領地で暮らす貴族たちだけであれば、サンダリオの予想は間違いではない。
アンドレスの街には、ルミエールがいる。
ただし、サンダリオは、アンドレスの街は「初老の小心者」であるクロノバルコが領主として統治している、という認識しかなかった。
商業ギルドの首領の養女ライラによって、西域の公主ダルア公暗殺計画は阻止された、ともいえる。
サンダリオは南域の首都である港街カルーバに館に潜入した者を捕らえたことを、まだ報告していなかった。報告していればサンダリオは始末されていたにちがいない。
サンダリオは西域の公主ダルア公を傀儡にしたことで、自分は南公主イグナートに信頼されている、だから始末などされないと思い込んでいる。
アンドレスの街にダンジョンを作る依頼をアベコウキがあっさり承諾したのは、個人的な理由もある。
マリーナの夫は旅商人で、アンドレスの街に妻のマリーナを残して仕事に出かけている。
その隙にアベコウキはマリーナを寝取ってしまったのだが、マリーナの夫が帰ってきたら、さすがにアベコウキがマリーナと一緒のベッドで眠るのを許すとは思えない。
(アンドレスの街のダンジョンを作って俺のアジトにしよう)
というわけである。
過去に賢者だった頃のアベコウキは、ダンジョンではなく、アジトとして塔を建造した。地上から六十階もある高層の塔である。
ルミエールの依頼は街の住人が避難できる場所を作って欲しいということだったので、地下一階だけは街の住人が使えるようにする。他の階は自分のアジトとしてダンジョンを作ることにしたのだった。
そんな大陸最大級のダンジョンが作られようとしているとはルミエールは思っていなかった。
(アンドレスの街からダンジョン一階に人を移動させて、ダンジョン一階から地上に戻るときは<自由の広場>に設定しておこう。ちょっと不便かもしれないけど、街からダンジョンまで、でっかい階段があったら、せっかく避難したのに見つかっちゃうもんな)

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