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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 7

エード族たちとカルームとアルタ族の混血の民たちが南方へ向かわなかったのには理由がある。
南下を阻むように巨体な樹海があったこと。
その森には森の民と呼ばれる栗色の髪をしたキジム族がいて、樹海に結界を施していたことによる。森へ踏み込めば迷ったあげく元の地へ戻される。
南下するには、巨大な樹海を迂回するために東方から海を渡るしかなかった。
警備隊見習いの少女アルベルのふわりとした栗色の髪や小柄な体つきは、数少ないキジム族の末裔の証である。
樹海の先、大陸の南方の地の民はどのような民族であったのか記録が残されてはいない。
キジム族と南方の民族との間に戦が起こり、それは大陸各地に甚大な被害をもたらした。
焼き払われた大樹海から逃れたキジム族の末裔は、大陸の各地へと散らばったと伝えられている。
今でもキジム族の末裔が少ないのは、もともと結界に守られていた環境にいたせいか、他の民族よりも体が弱かったことも関係している。
南方の民は大樹海を焼き払うために、天空から巨大な岩を落下させた。
ただし、それは大樹海だけではなく南方の都市にも砂漠にも、海にも、大山脈にも落下した。
海に落下した巨岩による津波や大山脈に衝突したことで誘発した地震の被害も大きかった。
大陸南方には古代の遺跡が残っている。
南方の民には、かつて大山脈を踏破してあらわれた王や砂漠の民エード族やキジム族とも異なる魔法の技術があったらしい。
南方は大樹海焼失後に開拓された。
隕石落下の大災害のあと、大陸各地は一度分裂の時代を迎えた。
やがて、平原中央地帯の王国領と4つの公国となった。さらに大陸の東西南北ではない公国がある。
真っ赤な瞳を持つ種族の異界である。かつては魔界と呼ばれておそれられていた。
王国の封土と呼べるかどうか疑問ではあるが、自治を行っている点や、王国と同盟を結んでいる点でいちおう公国である。
実際の領土の広さもそこに暮らす民の数も不明。
異界の地へ渡った者はいないが、異界の使者は大陸の民にはいないルビーのような紅き瞳を持つ。
容姿、髪の色、肌の色などは大陸にいる4つの民族のどれかに似ているが一定ではない。
ただし150年ほど前に当時の王と謁見した記録が残っているが、その後の記録はない。
黄色の肌の者が異界の者であるとすればこちら側からすれば賓客として迎えるべき存在である。
かつて魔法文明で繁栄を謳歌していたとされる南方の民族の末裔であれば、今、王国に存在する魔法技術よりも発展した技術力を受け継いでいる者かもしれない。

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