PiPi's World 投稿小説

奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 55
 57
の最後へ

奇跡の男と牝奴隷たち 57

アンドレスの街は、すでに南方の帝国に対して連合同盟が成立した時代には建造されている。
そして、彫像に魔法の情報を記録されていることから、魔法技術を持つ職人たちが、今は砂漠化している土地から移住してきた時代になってから、ということはわかる。
王立神聖教団がアンドレスの街付近に布教のための建造した教会だったのは、礼拝堂の女神像が残されていたことでわかる。
中央の平原地域の王国から同盟を結んだことで西域の国へ布教活動が行われたので、同盟前にアンドレスの街が建造されていても、魔法の遺産は同盟後に作られたものと推測できる。
アンドレスの街は南方の帝国と連合国との国境争いの時期でも、敵に陥落された記録はない。
西域のアンドレスの街よりも南に位置する街や村は、帝国軍に破壊されたり、占領された歴史がある。
その名残りで、今の西公領の直轄地と都はアンドレスの街よりも北にある。
ライラは評議会メンバーの権限を使って、教会にある歴史の文献を確認した。
文献を宿屋に持ち帰ることができず、閲覧することしかできないのは不便だったが、他の街の王立神聖教団の教会であれば閲覧でさえも平民のライラには認められないところである。
(なぜ、魔法の仕掛けを使い続けなかったのか?)
戦で魔法の情報を持つ彫像が失われ、また魔法の技術を持つ石職人が戦死して復旧できなかった、というわけではない。
アンドレスの街は陥落した記録がないからである。
誰かが完全に隠蔽しようとしたなら、廃村の教会の女神像まですっかり破壊するはずだ。
(魔法の仕掛けが使われていないということは、使う必要がなくなったのか、それとも、使えない理由があったということなのか)
ライラは毛玉を撫でながら書斎で想像していた。
魔法発動地点は今は路地だが、魔法の仕掛けが使われていたときに、そこに何があったのか。
彫像が配置されているアンドレスの街はどんな光景だったのか。
ライラは、街の教会の庭にある彫像の雨風による劣化から、彫像が作られたのはいつ頃なのか推測しようとはしなかった。
現在も石板に情報を残す技術がある以上、古い彫像が壊れる前に新しい彫像に同じ情報を記録しておいた可能性があると考えたからである。
(国境争いで破壊されていない街には、アンドレスの街と同じように、魔法の仕掛けが存在する?)
ライラは想像力の翼を広げてみる。
廃村の地下通路をエード族の魔法技術を持つ石工たちは、こつこつと土を掘り、岩を削り、さらに崩れないように壁を加工したとしたら、どれだけの人数と時間がかかったのか。
作業をしていたと思われる人数に対して、廃村の建物の数が少なすぎる。
(これは魔法に詳しい人に聞いてみないと)
ライラがアベコウキを訪問したのは、広場開設の五日前であった。アベコウキはマリーナがあれこれと忙しく動いているので、家で留守番を頼まれて一人で昼寝をしていた。
「え、あの地下通路は、魔法で作ったものかって?」

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す