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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 52

衣服を脱いで全裸になったサンダリオは勃起し、汗ばんでいた。鞭を手放すと、レギーナの傷だらけになった背中を顔を近づけて血を舐め取るように、舌を這わせてきた。
背中には媚薬は塗られなかった。
背中の傷が癒える前にまた鞭打たれる。
「きゃああああっ!!」
悲鳴を上げて目をさましたレギーナが、がばっと身を起こして、マリーナと目が合った。
「大丈夫。ここはあなたを傷つける人はいませんから、落ちついてください」
レギーナが眠っているあいだに、荷馬車が街を往復したので、衣服や下着は用意できた。
バレンドルフの妻マノンが買って広場に戻ってきたのである。バレンドルフが頼んだからだった。
レギーナは街の住人たちと同じような服装に着替えて、マリーナと広場に出た。
「今日はここは祭の日なのか?」
「にぎやかで楽しそうでしょ」
目がさめて空腹だったのかレギーナの腹がきゅぅ、と鳴ったので、マリーナが露店に案内した。
「わあ、元気になったんだね!」
アベコウキがマリーナとレギーナに気がついて近づいてきた。
「コウくん、二人でここで待ってて。ちょっと買ってくるから」
「うん」
マリーナが露店の客の列にならんでいるあいだ、アベコウキにレギーナはここはどこかとたずねた。
「アンドレスの街の近くで<自由の広場>っていうんだ」
「アンドレスの街?」
監禁されていたのは同じ西公領でも、もっと北東に位置する西公領主の直轄地の街ログレタだったはずだと首をかしげた。
「どうぞ、めしあがれ」
マリーナがスパゲッティーのような料理をテーブルに置いて、フォークをレギーナに手渡した。
「ああ、おいしい……です」
「足りなかったら言ってね。またちがう味のもあるみたいだから」
「マリーナさんも食べたいんでしょ?」
「私たちはまた食べたら、食べ過ぎでしょ!」
とてもひさしぶりなまともな食事だとレギーナは思い、食べて本当においしいと思った。
目の前の子供と女性の会話のやりとりを聞いているとレギーナの気持ちがなごんでいく。
レギーナが食事を終えたころ、バレンドルフが妻のマノンを連れて近づいてきた。
「おっ、気がついたのか」
バレンドルフがレギーナににっこりと笑顔をみせて「酒場の主のバレンドルフだ、よろしく」と挨拶をした。
「こっちは俺の大切な妻のマノンだ」
「はじめまして、マノンです」
「私はレギーナです、よろしく」
バレンドルフは挨拶をして謎の人物の名前を聞き出した。マリーナが建物から連れ出したあたりから、実は離れて見ていたのだが、逃げ出す様子はなさそうだと判断した。
「レギーナさん、教会に行こうよ」
「うん、いいわね、私も行きたい」
バレンドルフは、このあと騎士団屯所で話を聞かせてもらいたいと切り出そうとしたタイミングを、アベコウキとマリーナに外された。
教会では僧侶メトラと若い女性の僧侶が「どうぞ、楽しんでいって下さい」と客の案内をしていた。
「こちらはアンドレスの街の僧侶長メトラ様」
「傷を癒していただきありがとうごさいました」
マリーナがメトラを紹介すると、レギーナはすぐに頭を下げた。僧侶の治癒の法術で治してもらったのだと思ったからだった。
「わたくしよりもマリーナさんとアベコウキさんがあなたを治して下さったのですよ。今はゆっくり、中に展示されているものを楽しんできて下さいね」
レギーナは言っている意味はわからなかったが、僧侶メトラが忙しそうなので、頭を下げて地下通路の中に入った。

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