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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 48

「新しい施設を建造することを考えるなら、使われていなかった施設を再利用するために清掃費のみで利用できるために格安といえる。また市場でのいくつかの問題が解決する。展示品の不足は私がいくつか無償で提供しよう。商人からの上納金を要求するのであれば、私も王都と同じやり方で展示品の賃貸料を要求する。賛成」
エルシーヌが賛成意見を述べた。
賛成4人。保留は、領主クロコバルコのみ。
「しかし、見物料から上納するのは……」
クロコバルコが小声で反対意見を述べた。
「この施設は領主クロコバルコ様が善意で街の人たちのために開設しました、と見学者には説明いたします」
僧侶メトラが言葉でクロコバルコの欲をくすぐる。
「金を払って見物すれば興味のないつまらぬ物でも、とても良い物に思う者もいる」
バレンドルフがいかにも見学者が多く集まるかのように思わせぶりなことをクロコバルコに聞かせた。
「街の外だから、街の施設じゃない」
ライラが「街の施設の利益は納税の義務が領主にはある」という王国の法律の適応外であることを、ぽつりとつぶやいた。
「ライラ、それは上納しなくてもいいということなのか?」
「そう、払わなくていい」
エルシーヌとライラの会話を聞いたクロコバルコの険しい表情が明らかに変わった。
これは西域が砂漠を持つ領土のため、村人が井戸という施設を自分たちで掘ったとしても領主の納税の義務はない。たとえ旅人に村人が水を売ったとしても、村人にあるのは収穫物の上納だけでよいことになっている。
街の住人が自主的に清掃して街の外にある廃村の広場を使いはじめたので、評議会の者たちが趣味で地下通路に展示品を置いただけで、住人たちの広場であるため、街の施設ではないとすることで、上納しないという方法である。
他の地域では「領地の施設の利益は納税の義務が領主にはある」となっている。北方の山岳地域で発掘した鉱石を売れば宝石の場合は金額が大きい。鉱山は街の外なので納税の義務はないとすると、鉱山を掘った者が大金を得ることになる。
掘った鉱石は一度領主にあずけられ、商人に売られて、領主によって納税分を引かれた利益を掘った者たちが得る。
鉱石を掘った者たちが鉱石を領主に売り、さらに領主が商人に売り、鉱山は街の外なので納税しないとなったら、領主に大金が流れる。王国の法律は領主たちに反乱のための資金を蓄えさせないように配慮されている。
つまり、今回の施設を作って誰が利益を得るかといえば領主のクロコバルコであり、展示品が話題になるほど豪華であれば盗みに来る者もあらわれるので警備隊長エルシーヌが損をしていることになる。
僧侶メトラは得をしているようで、損をしている。
見学料を見学者から受け取るため毎日、交代を含めると4人は人員を取られる。街の教会から通わせるのも不便なので、4人の僧侶滞在用の宿泊施設として廃村の建物を4軒は確保しなければならない。
契約金を払って照明代を出すようなものである。
教会の地下室が地下通路への出入口のため、本来は地下室で僧侶が寝泊まりできるところなのだが、それができない。
しかし、王立神聖教団に申請して新しく宿泊所を建造すれば、街の外のもともとあったものではなく、街の人たちがあったものを利用しただけだ、とは言い切れなくなってしまうのであった。
バレンドルフは、街と廃村を往復する荷馬車の馭者の仕事を思いついた。警備隊の兵士が移動するときに荷馬車で客を乗せていってもらえれば、また、警備隊の兵士が交代のときに客を乗せて帰ってもらえれば、街の客が気楽に移動できる。

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