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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 47

教会は礼拝堂がある建物には街の住人が立ち入りを許されている。巡礼者は礼拝堂と巡礼者用の宿泊施設のみ。
「先日、美しく手入れされた庭や、街の歴史が記された資料や僧侶の人たちが学ぶための蔵書を閲覧できる建物を見学させていただき、これは街の人たちにも見せたいと思いました。しかし、見学者が立ち入るようになれば僧侶の人たちの修行の妨げになるかもしれず。そこで、資料の一部や庭の彫像などを見学できる施設を街に近い別の場所に作ってみてはどうかと思いつきました」
王都には発掘された品を公開展示している美術館があると聞いたことがあるとマリーナは話を続けた。それをアンドレスの街のそばに作ってみたらどうか。また、旧教会の建物も手入れをすれば使えるので、そこで布教活動を行い、礼拝と講話がない時間は地下に行き見学できる。地下への見学は入場料を払って見てもらう。
また街の石造りの建物はおもに来客者たちに休憩してもらえる場所として提供する。
広場は予約申請すれば、誰でも自由に歌っても踊ってもよく、大道芸を行う旅芸人や街の住人が使える場所として、これも使用料を先払いしてもらう。
「街の市場通りは広場ではなく通りなので、旅芸人などが芸を披露しても立ち止まって見物することが難しく、また混雑の原因となります。混雑すれば、露店商の人たちは迷惑します。しかし、専用の広場が市場と別にあればこの問題も解決します。広場の使用料は、この施設の治安維持のために巡回してもらう警備隊が受け取るものとします」
石造りの建物を商店として経営する場合は、来客の散らかしたゴミの清掃や広場の清掃も持ち回りで実施する。
展示物の見学料だけは、領主クロコバルコが何もしないでも得られるという条件ではどうか、とマリーナが進言した。
「クロコバルコ様も、展示物として何か提供いただけると人が集まりやすくなると思います。王立神聖教団としては、布教活動のための施設が増えるのもありがたいことではありますが、街の人たちに知識や教養に感動してもらえる機会が増えることは素晴らしい試みだと思われます」
と僧侶メトラが賛成意見を述べた。
「賛成。作れば、他の街からも人が来る」
僧侶メトラの意見に、普段は保留か反対の意見を述べるライラが賛成意見を述べた。
「質問がある。予算としてはどのくらいかかる?」
とマリーナに言ったのはバレンドルフだった。
「照明の用意、清掃のために協力してくれる街の人たちに手間賃。展示物の輸送と警備の費用」
教会の整備は僧侶の人たちだけで行ってもらい、街の人たちには公開日までは、展示品は見せないようにする。
展示物の輸送と展示と警備は、警備隊で予算を算出して王立神聖教団に請求してもらうか、街の予算から出すのかは、検討の余地あり。
出店したい商人たちから建物の使用料や売上からの上納金は不要という条件で、初めの契約料は地下の照明代と建物の清掃費と説明すれば、街の予算からは出さないで済むと予想できる。
街の市場を使用したい商人たちを、店として利用できる場所に限りがある関係で受け入れることができずに断っているだけならば金は集まらないが、場所があれば商人たちから金が集まる。
「初めの契約金を用意すれば、自分の店が出せる。そして、建物の使用料と上納金はなしなら、利益が出せると思う商人はいるだろうな。俺も賛成」
バレンドルフが条件つきで賛成の意見を述べた。
街の市場で出店するには、契約金、場所の使用料、売上からの上納金がかかる。
これらは領主クロコバルコに渡されている。クロコバルコはそれを西公領主へ税金として上納しているのである。
しかし、新しい施設には契約金のみで、その契約金も準備費用にあてたいと言われて、領主クロコバルコが眉をピクピクとひきつらせた。
「店が出てくれなければ、来てくれた人たちは食事もできません。しかし、来てくれた人たちが快適ならば、見学してくれる人も増えます」
マリーナが領主クロコバルコが商人に対する優遇処置の条件に反対しそうだと判断して牽制した。

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