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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 41

それは過去にライラが領主の館に拉致され、魔法で邸宅を焼き払ったということがあったのだが、バレンドルフはそうした詳しい事情は知らなかった。
領主と館の使用人たちは旅商人のつれている女性を拉致して殺害したのち、庭に埋めていた。
過去に領主に対して暴動を起こした村人を館で処刑して埋めた歴史がある領地だったので発見された人骨は暴動を起こした村人たちのもの、と処理されたのだが。
アンドレスの街ではそうした歴史はない。
「このアンドレスが城だとすれば、城壁を破られて攻めこまれた時に街から逃走するための隠し通路がある可能性がある。しかし隠し通路の確認の調査を館のほうからすることは難しい」
「バレンドルフ教官は隠し通路はあると思われますか?」
「元教官だ。俺はあると思っている。隠し通路の出口が街の中なのか、それとも城壁の外まで通じているかまではわからないが」
マルセリナの質問にバレンドルフは答えるとテーブルの上の地図を片づけた。
「君たちが隠し通路を見つけてくれたら、隠されたものが見つかるかもしれない」
バレンドルフは売春宿拉致監禁事件は領主も関係があり、その証拠を隠し持っているのではないかと推理したが、隊長エリシーヌの命令により調査を打ち切っていた。
騎士団から派遣された調査員の騎士ルシアとマルセリナは、隊長エリシーヌに領主の館に避難用の隠し通路がないか調査したいと許可を求めた。
領主クロノバルコは以前に、館の見取り図などを情報提供して警備隊に協力している。
領主に対し、事件に何らかの関与があったとして強制的な捜査に踏み切ることは難しい。
「騎士団の騎士として調査するのはかまわない。だが警備隊はこの調査に対して一切関知しない。ただし、君たち二人が失踪した場合には、警備隊は君たちの捜索を行う」
さらにエリシーヌはこう教えた。
「警備隊にではなく、街の住人に騎士団として協力を要請するのはかまわない。協力者に魔法使用許可を王立神聖教団ではなく騎士団権限で認めてくれるなら、バレンドルフをふくめ協力者を紹介するが、どうする?」
魔法使用許可は王立神聖教団と騎士団どちらにも許可する権限が与えられていた。
王立神聖教団は治癒系魔法を使う僧侶を育成している。騎士団の騎士には剣や槍、格闘技術などの武芸の他に、魔法を使うことのできる貴重な人材には魔法の使用を王国の法律で許可している。
治癒系魔法の法術師をほぼ独占することで王立神聖教団が他の組織よりも有利な立場にあるため、解毒の魔法とその法術師が存在すると王立神聖教団に申請すれば、僧侶として組織の一員とならなければ、魔法使用許可を認めないだろう。
しかし、騎士団ならば、騎士への協力者にも魔法使用許可を認めることができる。
騎士団の騎士が活動するためにはそれ以上の人数の騎士ではない階級の協力者が必要なのだった。

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