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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 40

ライラは翌朝、すっきりと目をさますと毛玉にふれて回復魔法をかけた。毛玉が左右に揺れ動いた。
謎の毛玉はライラの生気を魔法で気持ち良く回復させ、ライラは魔法で毛玉の生気を回復する。
(もう人間を餌にしなくてもいい)
ツインテールに髪を結んだライラは、微笑を浮かべながら毛玉を抱えて寝室を出た。
大陸西部のアンドレスの街には、ライラと毛玉という異界から召喚された魔族が暮らしている。
マルセリナとルシアとバレンドルフの三人は、警備隊屯所の会議室で街の地図を広げていた。
アンドレスの街は円形の城壁に囲われた城塞都市である。南に城門があり街に入るのも出るのも、この城門を通過するしかない。
商人たちの荷馬車は、酒場や宿屋があるのと同じ地区の停車場に集められている。
「受け渡しは現在は商人アーロン氏が経営する<大鴉亭>である現場と停車場が近く、馬車から宿屋まで宿屋に宿泊している客が手荷物に見せかけて店内に運び込んだと思われる」
バレンドルフは、過去の売春宿拉致監禁事件で使用された媚毒の香炉が現場に持ち込まれるまでの動きをどのように推理したか二人に説明している。
現在も荷馬車の荷物を城門で検閲しているわけではないので、外部からの持ち込みを確認するとすれば停車場での受け渡しを警戒する必要がある。そのため、現在は警備隊の巡回経路となっていると補足で説明した。
不審者が街に侵入する場合は、大荷物に隠れて警備隊の門番に顔を見られることもなく通過してしまえばたやすく侵入できる。しかしこれを防ぐための検閲のために必要な人員は不足している。
「不審者が潜伏できるとすれば?」
ルシアがバレンドルフに質問した。
「<大鴉亭>の宿泊客として滞在する。これが外部から侵入して一番目立たない。旅人が一番出入りする施設だからだ」
「他の施設は?」
「次に巡礼者が宿泊滞在する南地区の教会。不審者が巡礼者を装い滞在する可能性がある。今、君たちが宿泊している施設だ」
教会で修行中の僧侶たちやこの街に暮らしている通りに商店を持つ商人たちの目撃情報が集めやすい。行動に不審な点があれば侵入者が目立ってしまう。
「東の地区の住宅街はどうなのでしょう?」
マルセリナの質問にバレンドルフが答える。
「住宅を占拠する。住人を脅して殺害するか監禁することで数日の潜伏が考えられる」
マルセリナが納得したようにうなずいた。
街の北地区は警備隊屯所や訓練所や警備隊兵士の寮などで不審者は最も近づきたくない地区だろう。
「捜査の難しい場所が一つだけある」
バレンドルフの指先は、街の中央にある領主の邸宅を示した。
「城壁はこの位置を守るために建造され、領主の邸宅がずっとここにある。他の街では領主の邸宅は、領主の好みや街の都合で位置を変えて建て替えられていることもあるが、ここは動かない」
「そこから歴代の領主が動かない理由があると?」
ルシアが質問する。
「その理由がはっきりしない。館の敷地に何か埋まっているのかもしれないが」
別の街の領主の館で火災があり、跡地に人骨が埋まっていた例をバレンドルフが話した。

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