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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 5

「エード族の古き伝承には神の寵愛を受けた者は神の奇跡で人々を救ったとあります。たしかに王国の魔法技術は優れていますが、この世界にはまだ解明されていない失われた技術が存在します」
「その失われた技術を使うことができる人がいるということですか?」
「そう考えるとありえない話ではありません」
メトラとアルベルは八名の被害者たちに会いに行ってみた。
謎の治療者の容姿や名前などを聞き出せないかと考えたからである。
「名前はみんなバラバラですね」
「でも、容姿は同じ。服装は僧侶の制服ということですが、服だけなら別の街の市場なら買えるでしょうから、服装は手がかりにはなりませんね」
エリシーヌが街の警備隊の隊長になってから、街の市場で軍服・制服などの売り買いも取り締まりを実施した。
街の警備隊の装備品の横流しをしていた商人と古株の兵士たちは処罰された。
「この街の住人なら、僧侶の服装でなりすましていると捕縛されることは知っていますから、元僧侶かもしれませんが、どこか別の街から来た人なのでしょう」
十五歳ぐらいの少年で、髪は黒髪。
瞳の色は黒。肌は色白だか黄色。
中肉中背。身長はアルベルより少し背丈があり、メトラの肩ほどらしい。
「肌は黄色ですか、どこの公国の人でしょうか?」
「街にいれば目立つでしょうね。この王国の民族ではないとすると、とても興味深いですね」
街の南側の市場広場で黄色の肌の者を探すにしてもロープを着てフードをおろして顔が隠れている通行人も多い。
背丈と体型が一致する通行人から、肌の色を目でチェックしてみるが、簡単には見つからない。
顔立ちに傷痕や目立つ特徴はないらしい。
錫杖や剣なども所持していなかったようである。
メトラは街全体に魔力関知の法術を試みているあいだに、アルベルは街の宿屋にそれらしい宿泊客がいないか聞き込みに回った。
「ダメでした」
「こちらもです。まあ、魔法技術ではないとすると魔力関知で見つかるとは思えませんけど」
八名の犠牲者を治療した謎の術師の少年はなかなか見つからない。
二人が屯所に行き、警備隊長エリシーヌに兵士の人手を出してもらえないか交渉することに決めたころ、謎の治療者はまだ街に潜伏していた。

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