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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 29

アベコウキがメトラのゆったりとした法衣からちらりと見える艶かしい胸元を、つい見てしまいながら考えている。
僧侶メトラは、先日王都から来た視察官の持っていたのと同じ小型な石板でアベコウキの言った「解毒薬」の材料とレシピを録音した。
(この「解毒薬」ができれば危険な媚薬を治療が完璧にできる。ギャングどもに犯された騎士たちも治療できますわ)
高い戦闘力を持つ女騎士たちがいるにもかかわらず無法者たちを撲滅できないのは、媚毒の香炉だけでなく危険なアイテムが闇商人たちの手から無法者たちに渡り、優秀な人材が犠牲になっているからであった。
「材料が調達できるか確認しなければ。マリーナさん、癒してくれてありがとうございました」
身分が高い僧侶メトラに感謝の言葉をもらって、マリーナはとても喜んでいた。
(メトラをセックスに誘うタイミングを逃した!)
アベコウキがちょっとくやしがっていた。
報告を受けたエリシーヌは「解毒薬」の材料調達を評議会メンバーで宿屋の女主人のライラに、材料がそろったあとの作成を僧侶メトラに任せることを即決した。
領主クロノバルコと西領公主ダルアに「解毒薬」に関する報告はあえて行わず、試作品が完成した時点で効果を立証するために実験として、王都騎士団で現在治療中の女騎士たちに投与する許可をどうやって認めさせるか策を練らなければならなかった。
材料の中に大陸に存在しない植物の名が混ざっていて、これを調達するには、禁忌とされている召喚魔法で異界より召喚するしかない。
これを大陸各地の僧侶たちを統括している王立神聖教団には依頼することはできない。
(皮肉なものだな。商業ギルドと闇商人たちが癒着していることを利用して、禁忌の召喚魔法で治療薬の材料を入手しなければならないとは)
闇商人に依頼され、召喚魔法を使う無認可の法術使いや呪術師たちは、騎士団や王立神聖教団と対立している。
禁忌の法術で作成された薬物の人体実験を極秘で行えば、薬物の効果がどうであれ、発覚すれば法の秩序を乱す者として処刑されるだろう。
材料の調達を実行するライラ。
治療薬の試作品を作るメトラ。
この二人は、人体実験計画が発覚すればエリシーヌと一緒に処刑される覚悟ができている。
媚薬によって犠牲になっている女騎士たちは氷山の一角にすぎず、水面下には平民階級の女性たちの犠牲者がどれだけ存在しているか、あらゆる情報が集められている王都でも正確な数は把握しきれていないのが現状である。
平民階級出身であれ、法律上は王立神聖教団の認可を受ければ、魔法使用は許可されている。
無認可の法術使いや呪術師はぼぼ王立神聖教団の教育を本人が受けたが追放された者か、追放された者の血縁者などか大半である。つまり元貴族階級か裕福な商人の身分であった家柄の者である。
(評議会メンバーのマリーナは平民階級で無認可の法術使いになったか。こちらもなんとか処罰されないように手を打たなければ)
王都騎士団からの視察官が街に来ているこのタイミングで、人体実験計画を極秘で進めつつ、二人の無認可の法術使い、つまりアベコウキと評議会メンバーのマリーナを救済することになったエリシーヌは政治的には危険極まりない状況にある。
どちらが発覚しても、治安維持を任務とするエリシーヌは責任を追及される。領主クロノバルコも西領公主ダルア、自らの保身しか考えない老人たちは、罪をエリシーヌにすべてかぶせるだろう。
王立神聖教団の運営費は国庫よりも貴族たちの献金を大きな財源としている。
商業ギルドは貴族たちに金を貸しつけていて利息を財源としている。
貴族たちは生産することなく生活費の保証を受けて国庫の財を消費し続けている。
王国の国庫の財は、商人や平民たちの税収によって補填されなけばたやすく尽きてしまうだろう。

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