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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 28

「どうかな?」
アベコウキが目を開けた僧侶メトラに言った。
「マリーナさん、どこかで修行なさったことがあるのですか?」
「修行なんて一度もしたことないですけど」
マリーナの[キャラクターステータス]のMPを、ボーナスポイントを使って増加してレベル1だが、MP30に変更してある。
(戦闘用の魔法とか使えばMP30とか一発で消費しちゃうけど、アブラーンとか消費2だし、HP回復系なら結構使えるはず)
アベコウキはマリーナの残りのボーナスポイントをどうしようか考えている。
物事ついたころからエード族の巫女となり才能を開花して大神官となり、さらに王都で僧侶の修行もおさめて若き僧侶長として活動しているメトラの心の中の自信やプライドが崩れかけていた。
(修行もしたことのない素人のマリーナさんに魔法の力が……わたくしの今までの努力はいったい……)
アベコウキがサッとマリーナの肩にもう一度ふれて回復系魔法の効果(小)の呪文を素早く追加した。
回復系魔法の効果(大)は(小)の魔法を習得していないと追加できないことがわかった。
レベル1のマリーナだが、まだ習得リストに空きがある。あと2つは呪文をおぼえられる。
戦闘で使える呪文と回復系の呪文をレベルの低いうちは同時期におぼえていくのが定番だが、この世界にはモンスターがいないので戦闘は街の酔っぱらいの喧嘩ぐらい。
マリーナに戦闘用の呪文はいらないだろう、とアベコウキは考えていた。
「マリーナさんに意識を集中する方法を教える。マリーナさん、僕の手のひらとマリーナさんの手のひらを合わせて」
「右手、左手?」
「好きなほうでいいよ」
「こう?」
「そうそう、そしたら目をつぶって、心臓がわかりやすいかな、そこが体の中で光ってるって想像してみて」
「うん」
僧侶メトラが黙って、二人のやりとりを見つめている。どうやって魔法を教えるのか注目している。
「その光を僕の手のひらの感触のほうにゆっくりでいいから、移動させていくのを想像して」
(コウくんの手のひらの感触に)
マリーナは心臓のあたりに小さな火があるのを思い浮かべてみた。それが腕から手のひらに動いていくのを思い浮かべた。
「マリーナさんの手のひらがあったかくなった感じがする。うまくいったね」
アベコウキがマリーナをほめてから「目を開けていいよ」と言った。
「詠唱はなさらないのですか?」
僧侶メトラがアベコウキに質問した。
「あー、詠唱したほうが魔法を使いやすいかもしれないけど、それに慣れちゃうと緊急のとき詠唱しなくちゃならないでしょう。でも、めんどうじゃないですか」
僧侶メトラが深いため息をついた。
神への祈りを捧げて加護によって力を呼び覚まして魔法を発動させるという手順を「めんどうじゃないですか」と言われてしまったからである。
「ちょうどいい、メトラさんのHP、って元気がちょっとないから、マリーナさんの魔法で回復してもらおう」
マリーナにメトラの肩にふれてもらって、意識を集中してもらう。
「はい、集中して、手のひらに集めてきて。マリーナさん、手があったかくなってくるのが消えたら、目を開けて」
僧侶メトラは寝不足だった。アベコウキの使った魔法が過去の記録に残っていないか文献を再確認する作業を続けていたからである。
(体のだるさと肩こりが消えました。たしかに魔法が発動して、わたくしを癒して……)
「どうですか?」
目を開けたマリーナが、僧侶メトラにちょっと不安げな声で聞いた。
「完璧です、マリーナさん」
「コウくん、できた!」
アベコウキにマリーナがはしゃいだ声で言った。
「すごい大ケガとかは治癒しきれないけど、転んですり傷ができたとかぐらいなら自分で治せるよ。光を手のひらじゃなくて体の中をめぐらせたり、痛いところに移動させればね」
これにも僧侶メトラは驚いた。
僧侶の回復魔法は他人を癒すためにあって、自分の体をを治癒するという発想はなかったからだ。
「理論よりも、まずは実践じゃないかな?」
アベコウキが言いたかったことを口にしてみた。
「解毒薬の作り方と材料を教えて下さいますか。もしも材料がそろわなければ、マリーナさんにわたくしの使えない魔法をおぼえていただきましょう」
(呪文アブラーンが使えないわけじゃないって教えちゃおうかな。セックスしていっぱい気持ち良くなったら、覚醒のボーナスポイントを使って[賢者]の称号を追加で獲得するだけだし)

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