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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 25

「今も僧侶が使ってる治癒の魔法で、疲れとか空腹とか喉が渇いたのとかはなんとかしてた」
「狩りをして獲物を捕まえたりとか、木の実を取って食べたりしなかったの?」
「知らない木の実とか、一度だけ食べられそうかなと思う感じのがあって、食べてみた。そしたら、そのあとで気持ち悪くなって、吐きまくった。それからは魔法でなんとかすることにした」
「異界って?」
「この大陸がある世界じゃない、別の世界があるんだよ。時空の裂け目っていっても分かりにくいな、んー、家の中と外のあいだに窓とか玄関のドアがあるだろう。それが開いたときにべつの世界とこの大陸の世界がつながるんだけどね」
「べつの世界って、今もあるのかな?」
「あるみたいだ。メトラがこの前来てたときに話をしてたけど、異界からものを取り出す魔法を召喚魔法っていうみたいなんだ。たぶん魔法で時空の裂け目を作るんだと思うんだけどね」
「取り出す?」
「袋の中に物を使わないときには入れたり、必要なときは出したりするでしょう。ただ見た目そっくりの同じような袋がすげぇいっぱいあるとする。すると、どれが自分の物が入っている袋かわからなくなっちゃうじゃんか」
「うん」
「世界もたくさんあるんだ。だから、他の袋とちがう小さな袋とか、わかりやすい袋を用意して、そこに入れたり出したりすれば、まちがえない」
「で、俺は時空の裂け目に飛び込んでみた」
「どこかに行けた?」
「いや、気がついたら子供の体で、今のこの世界にぽいって出されてた」
「ねぇ、初めてキスしたのはいつ?」
「それが、よく思い出せないんだ。三千年前に時空の裂け目に飛び込んでみたのは二回目で、その前に一度だけ飛び込んだことがある。その頃の俺は賢者って呼ばれてるおじいさんで、魔法で時空の裂け目を作ったんだ。いつの時代なのか、この世界なのかもわからないけど、おじいさんだったってことは、若い頃に誰かと恋したり、キスしたはずなんだけど」
「私のことも忘れちゃう?」
「時空の裂け目にまた飛び込むことがあるのかな」
「忘れちゃだめだからね」
マリーナがアベコウキにキスをした。
アベコウキは時空の裂け目に飛び込むたびに、いくつか記憶を失い、新しい知識や能力を得た。
「少し眠っていいかな」
「うん、私もちょっと寝る」
マリーナはアベコウキを抱いて目をつむり、アベコウキの寝息を聞いていた。
翌朝、マリーナはアベコウキと朝食を食べながら、僧侶メトラや他の評議会メンバーのような能力が主婦の自分にないことはわかっているけれど、引け目のようなものを感じてしまうことを話した。
だから、僧侶メトラとアベコウキが魔法に関して対等に話し合っていると感じたときに、自分だけ仲間はずれにされたような感じもあって、いじけていたことを「コウくん、ごめんなさい」と謝罪した。
それを聞いたアベコウキはうなずいてから、どんなことができるようになりたいのか聞いてみた。
「コウくんがケガをしたりしたら私が治してあげたりできればいいと思う」
と少し考えてからアベコウキに答えた。
「俺だけ限定というのは無理。だけど、他にもケガをした人とか、小鳥とかでも治療できる能力はいけると思うよ」

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