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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 3

「被害者の家族に対して慰謝料として一人あたり金貨百枚。それを賭博場の経営者ナバルへの罰金として支払いを命じる」
捕縛から三ヶ月後、二百名の署名が集まる前に王都からの使者によって決定された。
「金なんかいるかっ、奴はどこだ!」
「われわれも知らされていない。受け取りを拒否するか?」
犠牲者たちの家族は警備隊の兵士から金を受け取り、その金を出し合い賞金とした。
こうしてナバルにまた賞金がかけられた。
「金貨八百枚なんて賭博場の儲けを考えたら、ナバルは余裕で払ったでしょうね」
「法を無視して賞金首を殺害するハンターどもは敵だが、ここだけの話だが、われわれの手で豚野郎を処刑できなかったのは残念だ」
幼なじみの僧侶メトラと警備隊の女隊長エリシーヌが警備隊屯所の隊長の執務室で話していた。
「ところでわたくしに用事とはなんですの?」
アルベルは体力が回復すると、そのまま街の警備隊の見習いとして入隊した。
「見習いの兵士を使いに出して、メトラに来てもらったが、あの娘はアルベルという。この街にもぐりの僧侶がいると噂を聞いて来た。僧侶のことはメトラのほうが詳しいだろう」
「わたくしも聞いたことがありますわ。探索に協力していただけますの?」
「アルベルを使ってくれ、テトラにあずける」
「あら、エリシーヌも一緒に探しませんか?」
「残念だが、これから領主殿に呼ばれている。こうみえて忙しい」
エリシーヌが苦笑した。
つい先日、八名の犠牲者が回復したことを僧侶のメトラは知った。犠牲者の家族たちが感謝してメトラのいる教会を訪れたからである。
アルベルは母親の病の治療を頼みに来て、警備隊長エリシーヌに保護された。
事情を聞いたエリシーヌはメトラに頼みアルベルの母親の治療を行った。
「警備隊は人手不足だ。入隊祝い金は治療費に当てさせてもらうが、いいか?」
アルベルは入隊を喜んで承諾した。
「というわけで、アルベルさんはわたくしの助手として隊長命令で配属されました」
街の北側にある教会で、メトラにアルベルは告げられた。
「この街にわたくしたち僧侶以外に治療を行う人がいる噂をエリシーヌもわたくしも信じていなかったのですが、先日、賭博場で媚毒の香の犠牲者たちが誰かに治療を受け回復しました。アルベルさんの探していた人かもしれません」
褐色の肌、漆黒の瞳の僧侶メトラは、金髪の女隊長エリシーヌとはちがうしなやかな黒猫のような美しさがある。
アルベルは緊張しながら話を聞いていた。

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