PiPi's World 投稿小説

奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 183
 185
の最後へ

奇跡の男と牝奴隷たち 185

ルミエールは、村人ジェンナの情報から、ギャングどもはアンドレスの街の南側で小村をアジトとして占拠したことを知った。
皇子ジョルジュと酒造り職人の娘マイリスから、呪術師どもは酒造り職人たちの街トレスカーナに立ち寄った情報をつかんだ。
オーリッサの都の奪還戦で、サンダリオとつながりのあったと思われる呪術師をルミエールたちは討伐した。
呪術師どもの目撃情報と、オーリッサの都で討伐した呪術師の人数にずれがある。また村を占拠したギャングどもは媚薬を無効化されたのち、どこに潜伏しているのかは不明。
騎士ルシアが食糧を配布した宿場街の周辺の居住地からは、不審者の目撃情報は得られなかった。
東公領は北をクラウセスタ王国の平原地帯、西にルミエールの公領となった荒地と接している。東には港街は南公領へも行ける海がある。
公主リシャールは東公領の中央にある巨大な湖のほとりの居城で、一ヶ月間、各地の報告を受け確認を済ませるとクラウセスタ王国の王都エルドニアに再び出発した。
ルミエールたちがまだオーリッサの都へ呪術師を討伐に向かっている頃である。
東公領は中央に巨大なリメル湖があり、湖を囲むように居住地が点在している。
耕作地は少ないが、食糧として海や湖の漁で収穫される魚などは豊富である。東公領の旅商人たちは、王都エルドニアの市場にて加工された魚介類を取引し、穀物などを仕入れている。
西公領のオーリッサの都のほうが王都エルドニアよりも近いが、オーリッサの都の評議会から取引を断られていた。
ルミエールが公主になったことで、西公領との貿易を望む領民たちの声も公主リシャールに上申されていた。王都エルドニアへの出荷よりも、輸送の時間と経費がかからない。それまで王都エルドニアに出荷していた物資が少なくなれば、市場で値上げした取引もできる、と。
西公領の民衆がオーリッサの都を失い、王都エルドニアからの物資が入荷されて来ないために困っているはずだと、東公領の旅商人たちは考えていた。
クラウセスタ王国の平原地帯の作物の生産量に比べて、砂漠や荒地の多い西公領の作物の生産量は少ないために大きな取引ができない。
クラウセスタ王国への出荷量を減らせば商業ギルドが穀物の取引量などに制限をかけ、値上げに対抗してくる可能性もあるので、リシャールはしばらく回答を保留とした。
オーリッサの都にクラウセスタ王国の旅商人が往来しているのであれば、王都エルドニアまで出荷せず西公領のオーリッサの都のみで取引して、クラウセスタ王国の商業ギルドの旅商人たちに売ることも可能ではある。
そのほうが利益は上がるはずだが、オーリッサの都の市場が失われクラウセスタ王国への流通が絶えている現在の状況では、損失となると予想できる。
オーリッサの都奪還戦からアンドレスの街に戻ったルミエールは、廃墟のオーリッサの都では東公領との交易は難しいと考えていた。
現在は西公領はクラウセスタ王国への納税を免除されているが、納税が再開されたら経済的に破綻するのは明らかだった。
経済的に破綻した場合は、領境を接している王国領か東公領か南公領に合併されて西公領が無くなる。
協議され領土を三つに分断されるのか、ある勢力が兵力を投入して全制圧をかけるのか。それは国王クラウセスタ12世や各公主の判断となる。
(そうなる前になんとかしなければ)
三つの勢力に囲まれている西公領に各勢力の軍勢が攻め込んできたら、物資の豊富なアンドレスの街に籠城しても勝ち目はない。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す