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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 183

森では呪術がうまく発動しない。
南公主イグナートは西公領の召喚魔法が発動しない現象との関連も考慮し、獣人族の末裔の者たちが森に隠れて暮らしていることから焼き討ちを命じた。
「西公領の狼人の一族は、おそらくもう獣化の能力を失ってしまったのでしょう」
「そうですか」
僧侶メトラにそう言われ、ミュウは自分以外の獣人族に会えるのではないかと、内心ではとても期待していたので残念に思った。
「ミュウ、南公領に戻りたいと思うか?」
ミュウはルミエールに「いいえ」と答えた。
「故郷の森は焼かれてしまい、また里の者で生き延びたのは私だけでしょう。帰っても一人では何もできません」
「そうか、これからのことは、ゆっくりこの街で暮らして考えればいい」
ルミエールはそれだけ言うとミュウを帰した。
ミュウは警備隊屯所に来るまで、変身のことなどをあれこれ質問されるのではないかと、緊張していた。
村人ジェンナとガストンはアンドレスの街の南方に帰って行った
南方の宿場街にいた僧侶セシルはアンドレスの街の教会で暮らしている。
商人のルベールとリエット。
皇子ジョルジュと酒造り職人の娘マイリス。
豹人の乙女ミュウ。
六人の移住者のうち僧侶セシル以外の五人がダンジョン居住者である。
(思っていたよりも移住希望者が少ない)
ルミエールはゾンビ化した人数がかなりの人数だったことや、失踪した村人たちのことも気になっていた。失踪者たちが獣化して野生の狼になってしまっているとは気づいていない。
東公領へ渡ろうとして領境地域で殺害された者もいることもまだ知らない。
「疫病」の噂やギャングどもの媚薬の被害の対策は行ったが、オーリッサの都に人が以前のように暮らし復興するにはまだまだ時間がかかると思われる。
酒造りの街トレスカーナのように以前と変わらず生産を続けている居住地もあるが、他の居住地は生産力が低下しているのは明白だった。
西公領は西に砂漠地帯、北に丘陵地帯、他は平地と荒地となっていて、作物の栽培にあまり適してはいない。
ただし、平地が広いのは荷馬車の移動には便利な土地である。そのため、オーリッサの都は商業都市として繁栄していた。旅商人の往来による流通が途絶えたことの住みにくさがある。
アンドレスの街の周辺は平地が広がり、耕作にも適している。またダンジョンで食糧を供給できる。
西方砂漠地帯の手前や南公領の領境付近は荒地となっている。
東側の土地は平地で大きな街はない。オーリッサの都とアンドレスの街の間の宿場街ウルーズ周辺に村があり、旅商人たちはオーリッサの都で取引してきた品物を宿場街ウルーズを中心として売り歩いていた。そのため、東側の平地は開拓されていない。
現在は西域は砂漠化しているが、もともとエード族の王国が栄えていた。ダルア公の父親である公主テオドールが生前に民に農地の開拓を命じ、村人たちをオーリッサの都の周辺に移住させた。
またオーリッサの都でクラウセスタ王国との交易を行うことで、移住した開拓民が王国から来た旅商人たちから物資を取引できるようにした。
クラウセスタ王国を盟主とする連合軍と南の帝国軍との戦争が始まった。そのため領地の生産力を上げる開拓とオーリッサの都の商業都市化は中断された。
開拓を命じられていた民も、兵士として従軍した。

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