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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 182

評議会議員サンダリオが引き起こしたのはゾンビ増殖の惨事だけではなかった。
失踪した村人たちは満月でもないのに獣化して、人であったことも忘却したのだった。
オーリッサの都を占拠した狼の中にも、元村人がふくまれていたことを呪術師たちは知らなかった。
南公領では帝国の時代から民衆の暴動に対し、武力による鎮圧が行われており、兵士たちは暴動の鎮圧のために暴徒が潜伏している森へ火を放つ命じられていた。
南公領の森に、獣人の隠れ里があることを兵士たちは知らなかった。
獣人族の隠れ里に暮らしていても、変身能力を持つ者は多くはない。獣人族ではない者たちと交わってきた結果、獣化能力を授かって生まれてくる者は減りつつある。
西公領の狼と化した者たちも、変身能力が失われていたので、自分たちが獣人族の血統を継いでいるとは自覚がなかった。
南公主イグナートは南公領にいる獣人族を根絶やしにすることにした。
獣人は人間よりも、戦闘力が高い。
暴動を起こされたときには厄介だと判断したのである。
隠れ里のある森を焼き討ちにしたことで、護りの神木の力が発動し、豹人の乙女ミュウがダンジョンに転送されることになった。
アンドレスの街の地の奥底には、女神の命と融合して金色の竜となる魔力の塊がある。
豹人の乙女ミュウもまた、女神の命のかけらを授かりし者であった。
そのため、他の獣人族の末裔たちが獣化能力を失っていくなかで、南公主イグナートが危惧する獣化する能力を持ち続けていた。
アンドレスの街の地底の魔力の塊に引き寄せられたが、ミュウは肉体があるために魔力の塊と融合できないため、ダンジョンに出現したのである。
ミュウの暮らしていた隠れ里には古老がいて、先祖から他の獣人族の伝承を口頭で語り継いでいた。
西公領のあたりには狼に変化できる者たちが、北公領の大山脈には熊に変化できる者たちが、人間と共存していると。
南公領がかつて帝国の時代に、豹人の一族は皇帝に戦闘力の高さを買われて仕えよと命じられたが、拒否して、豹人の一族は古き時代から残る森に身を潜めたという。
古き時代から残る森は、迷いの森とも呼ばれ、豹人の一族が隠れ里をつくるのに適していた。
迷いこんできた人間が隠れ里にたどり着き、里の者として暮らすということもあった。
そのため、豹人の一族の末裔でも変身能力を授かり生まれてくるものは、今はめったにいなくなってしまった。
なぜ踏み入れた者が森で迷うのか、豹人の一族は迷うことがないのか。森には一本の古木があり、護りの神木と古老は呼んでいた。その木によって豹人の血を継ぐ者は守護されているからだという。

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