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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 179

ルミエールが考えていることは、
(暮らしていた村人たちは何処に行ったのか?)
ということだった。
他の村に移住したわけでも、宿場街ウルーズに来ているわけでもない。
オーリッサの都周辺の村から、アンドレスの街に移住した村人は二人だけ。
クラウセスタ王国へ逃れたならば、トレスカーナの街に立ち寄っているはずだが、その情報はない。
(このウルーズの街にいた住民たちも何処に行ったのか……東公領に逃れたのか?)
騎士ルシアからの報告で、不可解な点がある。
空き家になっている住居は、まだ人が暮らしているように服や物が残されていたというのである。移住するとしたら、もっと品物が持ち出されているはずであった。
バレンドルフが一人でカウンター席へ。
「……消えちまったんですよ。あとは雑貨屋に聞いて下さい」
カウンター席の上に置かれた金貨一枚を店主がさっと手をのばして受け取った。
ウルーズの街の空き家は何もなかった。
「空き家から盗んだのか?」
「旦那ちがいますよ、うちで預かってるだけで……」
雑貨屋は街から姿を消した住民の家にあった物を、倉庫にしている小屋にためこんでいた。
「金も置きっぱなしになってただろう?」
バレンドルフが、雑貨屋の店主にかまをかけると、小袋に入れた金を渡してきた。
「これで見逃してもらえませんか?」
バレンドルフが呆れて、雑貨屋の店主の腕をひねり取り押さえた。
雑貨屋の店主は荷馬車に連行されて、警備隊の取り調べを受けを受けた。
街や村から人が消えた。
オーリッサの都に行って疫病で死んだと考えて、家に戻ってこないので売れそうな物や現金は回収したと雑貨屋の店主は自供した。
(オーリッサの都のゾンビになったのか?)
ルミエールが考えてみるがわからない。
以前にルミエールと騎士ルシアがアベコウキとオーリッサの都でゾンビの群れを鎮圧したあとも、このウルーズの街で多数の失踪者がいたことが判明したからである。
アンドレスの街にはない異変。
「バレンドルフ、アンドレスの街へ戻るぞ」
3ヶ月半の旅を終え、バレンドルフはアンドレスの街に戻ってきた。
「おかえりなさい、バレンドルフ」
厨房で妻マノンに抱きつかれた。
「マノン、俺たちが留守のあいだ街で変わったことはなかったか?」
「ジョルジュくんとマイリスちゃんはがんばってるわよ。もう、お店をあずけても大丈夫なぐらいよ」

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