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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 18

「大丈夫、コウくんは私が守るから」
マリーナがすばやくしゃがんで小声で囁く。
(見つかった。私の探していた奇跡の人が)
田舎の小村から噂だけを信じて、街まで苦しい旅をしたこと。
媚毒の香で心が壊されてしまった人たちが回復したのを見て、アルベルは噂話にすぎなかったとあきらめていた謎の治療師はいると、とても緊張して隊長エリシーヌに直談判をしたこと。
大陸のどの民族にもいない肌の色の人物らしいという情報に、また噂話にすぎないのではないかと、ひどく不安になったこと。
それらが一気に思い出されてきて、アルベルは涙ぐみそうになりながら、うつむいてソファーに腰を下ろしていた。
三人の女性たちのそれぞれの思いがこみ上げるなかアベコウキは、マリーナとのお楽しみを妨害されたことに少しイライラとしている。
だが突然、訪問してきた二人の美人。
褐色の肌、目鼻立ちがはっきりとした小顔、華奢な体つきにまとったゆったりとした法衣の上からでもわかる豊乳。神秘的な女神像のような美女メトラ。
軍服姿だか、栗色のふわりとしたゆるふわパーマのような髪と大きめだが目尻の少し下がった目元のかわいらしい印象が強い美少女アルベル。
身近にいそうな感じの親しみやすい、だがスタイルも悪くなく、顔立ちもすっきりとした人妻で美女のマリーナ。
三人のタイプがちがう美女たちを前に、イライラ以上に胸がときめき、むらむらとしていた。
(この三人と絶対にセックスするぞ!)
リビングにマリーナと戻ると、僧侶メトラと警備隊兵士見習いのアルベルの向かい側のソファーに並んで腰を下ろした。
「このお姉さんたちは、僕を探してたの?」
「そうみたいよ。コウくんが病気で困ってた人たちを治したでしょ?」
「うん」
「その方法を教えてほしいんですって」
マリーナがすごく話を要約してアベコウキに言う。
「わたくしと一緒に来ていただきたいのです」
僧侶メトラが丁寧な口調で話しかけた。
「やだ。僕、マリーナさんとここにいる!」
アベコウキはどさくさ紛れで、マリーナにしがみついた。
「どうでしょう、この子はしばらくうちであずからせていただくわけにはいかないでしょうか?」
マリーナがアベコウキの頭を撫でながら、目の前の二人にはっきりと言った。
僧侶メトラと警備隊兵士見習いアルベルが顔を見合せた。
「評議会メンバーのマリーナさんが、この少年を責任を持って保護していただけるのであれば。ただし賭博場拉致監禁事件の被害者治療の件については、この少年の安全のためにも、誰にも口外しないようにしていただきたいのです」
「安全のため、ですか?」
「そうです。ギャングどもは違法な薬物を餌に人の意思を操り、被害者の心が壊れてしまうまで利用しようとします。しかし、それを短時間で治療してしまう者がいるとわかれば、命を狙われてもおかしくはありません」
(僧侶メトラがなんかこわいことを言い出したぞ)
アベコウキは口を出さずに話を聞いている。
「話はわかりました。治療の件は、私とこの子は口外はいたしません。ですが、この子はうちであずからせていただきます」
マリーナがきっぱりと言い切った。
「しかし、安全を考えるならば、警備隊屯所で保護するほうが」
アルベルがマリーナに言うと、僧侶メトラが少し眉をしかめた。
(僧侶メトラも気がついたな。この勝負、マリーナさんの勝ちだ)
「そもそも街でギャングが違法薬物を使用するのを未然に防げなかった警備隊の責任はどうなっているんですか。私たちが安全に暮らせるようにがんばって下さっているのはわかっています。この子や私が街でギャングに危害を加えられることがあっていいと思うのですか?」

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