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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 169

クラウセスタ十二世の溺愛する愛妾の火遊びにつきあうことは、リシャールにとって危険ではある。発覚すればクラウセスタ十二世から宮廷から排斥される可能性が高い。最悪は王命により死を賜ることもありえる。
しかし、愛妾フラゥレッティには商業ギルドの女首領イライザとの血のつながりという利用価値がある。
自分自身の命に対する執着が希薄なところが、貴公子リシャールにはあった。
クラウセスタ十二世の愛妾フラゥレッティが、南公主イグナートの潜伏させた工作員を使い禁書の魔導書を入手したという捏造した事件が発覚するのと、愛妾フラゥレッティとの火遊びが発覚するのがどちらが早いか、それは賭けであった。
愛妾フラゥレッティは王妃候補の安定した生活を手放すとは考えにくい。火遊びを隠そうとするだろうとリシャールは考えている。
王都にずっと滞在して計略を行うのではなく、一度自領へ帰還したのには理由がある。
以前からの愛妾フラゥレッティの誘いに対する返答をひそかに要求されている。自領に帰還することを理由に返答を保留にしておくことにしたのである。焦らしておくことで、フラゥレッティにリシャールに対する強い執着を抱かせるためであった。
商業ギルドの女首領イライザから、どうやって財産を吐き出させるか。リシャールは愛妾フラゥレッティを使うことにした。フラゥレッティに貢がせようという考えである。
禁書の魔導書マトゥの日記と偽造した醜聞を北公主ヴァイモスが使わなかったとしても、最も財産を持つ組織の女首領イライザの弱みであるフラゥレッティを手なずけておけば、交渉材料にはなるはずであった。
貴公子リシャールは、クラウセスタ王国の宰相の地位を奪うために、ひそかに謀略をめぐらせていた。
貴公子リシャールが捏造した事件が、のちにクラウセスタ王国の王位継承問題に関わってくることになるのだが、それはもう少しあとの話となる。
オーリッサの都で、呪術師たちは88人もの多数の犠牲者を出しながらも狼たちを撃退した。およそ七日間の激戦であった。
狼たちの群れに喰われていない埋葬された人骨が召喚魔法の使用できる場所に到達すれば爆発するように呪術を施した。
爆発すればオーリッサの都で瞑想状態になっている4人の呪術師が感知できる。
骸骨の兵士が調査の途中で何かと戦って破壊されても、瞑想状態の呪術師たちに命の別状はない。
残り8人の呪術師たちは、狼たちが再び都に戻って来ないか警戒しつつ、結果を待っていた。
東公領と西公領の境界線と、西公領の人が居住していない砂漠をめざして、ぞろぞろと骸骨の兵士が長蛇の列となり、オーリッサの都から出発した。
逃亡中の皇子ジョルジュと酒造り職人の娘マイリスは、オーリッサの都の西側、ライラと吟遊詩人ディオンが荷馬車で通過した経路でアンドレスの街に向かって旅を続けていた。

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