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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 162

オーリッサの都には誰も人はいない。
どうやって入り込んだのか、狼の群れが街の中で寝そべったり、うろうろしている。
都の端に作られたいくつかの墓を掘り返して出てきた骨をがりがりと噛み砕いて食べていた。
呪術師たちが夕暮れ時にオーリッサの都に到着して都の大通りを歩いて来た。
餌が来た、と仲間に知らせる数匹の遠吠えに、都の狼たちは耳を動かして立ち上がると、嗅覚を研ぎ澄まして久しぶりの狩りの準備を開始した。
グルルルルッ……。
低い唸り声に、最初に到着した呪術師19人が立ち止まると、入り組んだ路地裏から一頭、また一頭と鼻先と牙を剥き出しにした顔を覗かせる。
大通りをそれに気づいて走って戻ろうとした呪術師が2人いた。
路地裏から八頭の狼が駆け出してきて、2人に飛びかかる。人間1人に対して四頭で襲いかかる。それは人間が何か武器を持っていた場合を警戒しつつ、確実に狩るためで頭数であった。オーリッサの都の狼は人間を狩るコツを知っていた。
呪術師、残り98人。
その場で立ち止まり動かなかった17人が、どの方向から飛びかかってきても対処できるように円型に陣形になるように移動した。
狼たちは2人の遺体の腹や喉を喰いちぎったあと、路地裏へ走り去った。
残された遺体の意味は、襲いかかった狼たちが満腹だったからではない。
他の群れがいない、餌を運んで隠さなくてもよい、奪うものがいない、狼たちのテリトリーのなかに遺体があるということであった。
呪術師17人がそれぞれ身構えているが、狼たちは路地裏に身を潜めていった。
方円の型で動かない人間たちに襲いかかって崩そうとすれば、一頭か二頭は傷を負わされる可能性が高い。だから狼たちは、呪術師たちがまた歩き始めるのを身を潜めて待っていた。
移動を開始すれば匂いでわかる。
輪になったままの状態を維持したまま歩くのは、かなり難しい。
呪術師たちは9人と8人の二手に別れて少し間を開けて大通りを進むことにした。
単独行動だけは避けなければ危険だと判断できた。
前列、中列、後列の三列になる。
3人、3人、3人の先行パーティ。
3人、2人、3人の後続パーティ。
どちらのパーティが狼たちに狙われても、合流して支援できる距離を取って進む。

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