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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 155

呪術師たちは調査後、アンドレスの街を迂回してギャングどもの制圧している地域から南公領へ帰還する予定となっている。
すでにマリーナ特製の薬草サラダによって退路を絶たれているとは呪術師たちは予測できなかった。
丘陵地帯ならば平原の王国へ逃げ、南公領から王国内に潜伏している仲間とも合流できる。不測の事態に備えて潜伏するのに適した場所として丘陵地帯を選択した。
もしも砂漠化した居住地がない地帯に呪術師たちが潜伏していたら、西公領に取り残されるが、商業ギルドの首領イラベラの情報網にかかることはなかっただろう。
西公領に潜入している百人の呪術師たちはオーリッサの都から北にある丘陵地帯へ集合しつつあった。
西公領の情報がオーリッサの都が崩壊したので平原の魔女イラベラの耳に以前よりも入って来ない。
西公主の地位をルミエールが受け入れて就任した情報と、王国からオーリッサの都へ調査団が派遣されていることは把握していた。
ルミエールが商業都市オーリッサを復興するために活動を開始するには、王立神聖教団の調査団が任務を終えて帰還してからしか動けないことがイラベラにはわかっている。
平原の街道沿いでも「疫病」の噂があり、商人たちが西公領へ行くのを自粛している。旅商人が訪れなくなったことの物資不足と「疫病」の噂があるオーリッサの都に住人を集めることの難しさ。それに対抗する武器は、王国から発令された五年間の減税しかない。
(東公主リシャールが妹のために西公領へこっそり支援することも考えられるねぇ)
平原の魔女イラベラは、東公領と取引のある王都の旅商人たちから情報を集め始めていた。
イラベラ本人は王都エルドニアの邸宅で肥満しきった巨体に合うドレスを王国の職人に作らせたりしながら、王都の情勢をうかがっている。
クラウセスタ王国。豊穣な平原地域を直轄領として他に四人の公主に委任させた領土を持つ大陸の覇権を握っている王国である。
クラウセスタ十二世を最高権力者とし、宮廷議会、王立神聖教団、騎士団などの組織によって国政を行っている。王都エルドニアにはクラウセスタ十三世となる継承権を持つ双子の皇子の一人、エクトールがいる。
そして、もう一人の王位継承者ジョルジュは現在行方をくらましていた。十五歳になり、自分に王位継承権があると知らされてから六年間、王都に姿をみせてはいない。すでに生きてはいないという噂すらある。
皇子エクトールは王都にずっと裕福な暮らしをていたが、皇子ジョルジュは母親である侍女が王都エルンストから連れて逃げたので、貴族の暮らしを知らずに育った。
クラウセスタ十二世の貴族階級の愛人たちが子を産んだ侍女は死亡し、エクトールだけを残したと伝えたためである。後継者争いの火種を残さぬように。
そして、自分が子を産んだときに一人だけ暗殺すれば、自分の子を皇子とできるように。
侍女ニコルは赤子のジョルジュを連れて始末されぬうちに姿をくらました。双子を連れて逃げていたのだが、途中でエクトールは落としてしまった。

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