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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 148

現在、西公主ルミエールが拠点としているアンドレスの街に被害を与えることがギャングどもにできなかった。
西公領に商業都市オーリッサが復興すれば、西公主ルミエールに兵力を増加できる経済的な余裕を与えることになる。それを避けるため、西公主ルミエールが拠点としているアンドレスの街に被害を与えようと南公主イグナートは考えていた。
オーリッサの都から北に暮らす西公領の民は丘陵地域を離れ平原地域へと移住していくこともできる。
オーリッサの都からアンドレスの街のあいだの地域の住人たちは「疫病」の厄災が再び起こるという噂に翻弄されていた。
平原地域の王国に移住するには遠く、砂漠地帯とその手前の耕作に適さない荒れ地を開拓することもあきらめていた。
商業都市オーリッサを自分たちで復興しようという思いはなかった。王国から派遣された調査団が、遺体を三ヶ月ずっと焼く煙が毎日立ち昇るのを見続けながら、自分たちも「疫病」に感染しているのではないかと不安を抱いていたのである。遺体を焼く煙を浴びたら感染する、という噂まであった。
オーリッサの都が「疫病」で多数の死亡者が出て都全体を封鎖されていることは、神聖教団の教会の僧侶から説明されたが、あとは詳しいことはわからずオーリッサの都付近を通過してきたという旅人が聞いたという噂話を聞けばさらに不安になる。
丘陵地域を越えてきたという旅人たちは東公領へ渡るという者や、もう少し南へ行ってみると言い、数日の滞在で宿場街や村から離れていく。
アンドレスの街にいるルミエールという貴族の女性が西公主に就任した情報は住人たちも聞いていた。
商業都市オーリッサの貴族たちと住人たちは関わりを持たずに生活してきた。貴族はオーリッサの都に住み、身分を持たない自分たちは都から離れた居住地で暮らすのが習慣となっている。
新しい公主に誰が就任しても、貴族は同じだと思っている。金払いはいいが態度は気取っていて、時には自分たちは身分があると自慢したり、態度が悪いと文句をつけてくる連中だと住人たちは思っていたのである。
東公領は貴族が多く暮らしていると聞けば移住する気になれず、新しい貴族の公主がいるアンドレスの街に行く気にもなれず、そのまま暮らしているという状況である。
アンドレスの街と<自由の広場>を訪れたことがある者たちは、オーリッサの都が商業都市から不安の種になってしまい「疫病」の噂もあるので受け入れてもらえるか心配しながら、アンドレスの街に避難する移動の旅を始めていた。
途中の宿場街で自分たちよりもオーリッサの都に近い居住地から来たとわかると、街に入れてもらえなかったり、宿屋の宿泊を拒否されたり、村の雑貨屋で携帯食糧やランタンの油なども売ってもらえなかったりした。
「疫病」に対して疑心暗鬼になり、自分たちだけは見えない厄災から身を守ろうと考えているようであった。

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