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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 142

雑貨屋で購入してきた荒縄で手足を縛られたギャングの男が、女神像の前に転がされている。
「気分はいかがですか、落ち着きましたか?」
「……はい、でも、まだこわいです」
僧侶セシルが着替えを終えたあと、マルセリナに気づかわれながら椅子に腰を下ろしていた。解毒の魔法で媚薬入りの水の効果から脱してはいるが、犯されかけた恐怖にひどく青ざめている。
ジェンナが怯えた表情で、ルシアと礼拝堂から別室に戻ってきた。「あの男に間違いありません」とマルセリナに震えた声でジェンナが言った。
宿屋の裏手にはギャングの「ロイ」が村から乗ってきた荷馬車が停車してあった。
「ジェンナ、あと僧侶セシル、二人ともアンドレスの街に証人として来てくれないか」
騎士ルシアが言うと二人はうなずいた。
「ギャングのアジトを二人で制圧するのは難しい状況です。一度、撤退します」
とギャングの「ロイ」を縛り上げたルシアにマルセリナが言った。他の村にもギャングが潜伏しているらしいことが、ジェンナから話を聞き出したマルセリナにはわかったからであった。
小村ミッツァから、お気に入りのジェンナを連れて荷馬車で他の村のギャングたちに小村ミッツァを制圧したことを知らせていた「ロイ」は媚薬の水を使いすぎて、媚薬の水の素の手持ちの量が減ったのを気にして、ジェンナに投与するのをやめた。
他の村で、媚薬の水を作る素を分けてもらえると考えていた「ロイ」はあてが外れた。
そこでジェンナが禁断症状で悲鳴を上げ続けたときと自分が犯したいときだけ投与した。
「ロイ」がジェンナを犯したあと眠り込んだ隙に、ジェンナが荷馬車から逃げ出した。まだ「ロイ」の射精した精液が内腿にこびりついたまま。
投与されたあと短時間だけ、気持ちが落ち着いて、必死に逃げ出してきたのだった。
媚薬の濃度を薄められ、投与量も減らされ、完全に媚薬の効果から脱したわけではなかったがジェンナの心の束縛が緩む隙ができた。
いくつの小村がギャングのアジトにされているのかは、はっきりとはわからない。ただ村人が媚薬の効果で支配されているとすると、ギャングを捕らえようとしても村人たちが妨害する可能性が高い。
「水をくれよぉ」
荷馬車の荷台に「ロイ」も乗せてアンドレスの街に戻ることにした。ただし「ロイ」には解毒の魔法をかけずに、治癒の魔法のみで生かしておいた。
雑貨屋の主人ガストンは、ギャングの情報を僧侶セシルから聞き、実際に捕縛された「ロイ」を見てアンドレスの街への移住を希望した。
荷馬車はガストンを馭者として、証人の僧侶セシルとジェンナ、あとギャングの「ロイ」が荷台に乗っている。
荷馬車の前後にルシアとマルセリナがついて周囲を警戒したり、荷馬車の荷台を気にしつつ移動した。
途中で食糧を分配した村ツルガに立ち寄った。到着したのが夕暮れ時で、畑で作業していた大人の村人たちが村へ帰ってきたところだった。
「旅商人になりすましたギャングには注意するように」とマルセリナが伝えると「騎士様、近くの村にも伝えておきます」と村人たちが言った。

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